奇策





 奇策は。
 政子様が乗り込んできたときに思いついた。
 ちゃんに知らせる時間はなかった。
 彼女は、オレを信じてくれるだろうか?
 オレ以外の者の手にかかれば、本当に死んでしまう。
 オレの銃で撃たれる事───
 最悪の条件が、彼女の命を生かすための抜け道。
 仲間にも知られるわけには行かなかった。

 ちゃんは、とても綺麗だった。
 一言「いいよ」って。
 それだけで、オレは救われた。
 彼女は真実を知らないのに。
 オレに命まで預けてくれたんだ。
 裏切れないよ・・・・・・

 朔や皆に詰られながら。
 倒れた彼女を抱きしめた。
 魔弾をまだ人では試していなかったんだ。
 それだけが、オレの不安。

 目覚めてくれた時は、嬉しくて。
 口づけしたかったけど我慢した。
 君が気絶している間に、朔に真実を話した。
 オレが暗殺をしていたことも・・・・・・

 おかげで、君が目覚めてからも。
 ちくり、ちくりと。
 オレの小鳥の心臓をつつく嫌味をありがとう、妹よ。
 ちゃんがその度にとりなしてくれて。
 オレは勝った!と思ったね。
 ちゃんはオレのものだ。
 諦めろ、朔。
 
 今まで朔に言われ放題だったけど。
 これからはちゃん馬鹿なオレだから。
 朔にだって負けない。
 ちゃんの一番の座はオレがいただく!





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≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:ライバルは朔だったりするよね〜。望美争奪戦♪     (2005.2サイト掲載)




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