～Heavenly Blue～３０のお題『あきらめない』（景時編）

あきらめない

　わりといろいろあきらめてきたから。
　石にかじりついても・・・みたいなことは。
　したことなかったな。

　ちゃんは違うんだよね。
　新しいことに、どんどん飛び込んで行っちゃうし。
　最初から無理っぽい時も。
　「まずは。やってみなきゃですよ？」
　なんて言って。
　黙々と稽古したりするんだよ。

　花断ちの時も・・・
　手の平が、痛々しくて。
　それでも、毎日神泉苑に行って稽古して。
　帰ってきて、庭で素振りをして。
　もう、無理しないでいいんだよ？って。
　そうしたら、すごい答えが返ってきた。
　「だって、まだちょっとしか稽古してないですから。
　まだまだわからないですよ？」
　オレ、参りましたって頭下げたい気持ちになった。

　そんなちゃんでも、虫は嫌いなんだよね。
　蜻蛉に怯んでた。
　練習したけど触れないんだって。
　彼女のことだから、すっごい頑張ったんだろうな。
　いいんだ、オレが平気だから。
　虫から彼女を守るし。

　ちゃんは・・・誰が好き？
　オレだって思ってもいいのかな？
　ちゃんが言う『一緒』は、共に行動するって意味？
　オレとずっと『一緒』にいるって意味？
　オレと居てくれるって意味だと思うんだけど・・・
　自信がないんだよねぇ。
　
　ちゃんのことだけはあきらめたくないから。
　怖いけど、逃げないからね。

≪景時×神子に３０のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

　あとがき：危ない人にならないでね～、景時くん。　　　　　(2005.2サイト掲載)

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