何があっても  ≪景時side≫





 何があっても。
 君の事が好きです。
 それだけは本当。
 でも・・・・・・オレに何かあったらって・・・・・・
 あんまり考えなかったなぁ・・・・・・

 少し大宰府方面でゴタゴタがあって。
 九郎が行くわけにはいかないので。
 オレが様子を見に行った。
 問題といっても、行けばすぐ何とかなるくらいで。
 それは良かったんだケドね。
 帰り道、盗賊に襲われた。
 実に物騒な世の中だよね。
 そこは、それ。
 最近色々修行もしちゃっているしさ。
 命に別状はなかったんだけど。
 部下を庇った時に腕を少々傷めた。

 こんなに長く離れていた事なかったしね。
 九郎への報告を済ませて。
 待ちに待っていた我が家へ帰ると・・・・・・
 大泣きされた・・・・・・
 オレの予定では、お出迎えでちゅーではぐでしょ?
 あれれ〜?
 それどころか、ポコポコと叩かれた。
 別に痛くないんだけど、何だか訳もわからず。
 これぞまさしく呆然・・・・・・
 されるがままに玄関口で突っ立っていた。

 泣きながら腕を縛っていた布を替えてくれて。
 困ったなぁ。
 オレが居なくなったら駄目なんだって。
 怪我しても駄目なんだって。
 出かけたら、元気に帰ってこないと駄目なんだって。
 無事じゃないと、ちゅーもはぐもナシだってさ〜。
 ご褒美ナシ!
 そんなの、初めて知ったよ。
 
 かすり傷も駄目なのぉ〜って、試しに聞いたら。
 ちょっとも駄目って・・・・・・ヒドイ。
 草地も歩けないよ。
 すごい切り傷できるもん。葉で。

 こんなに君に大切に思われているオレを。
 オレは大切にしなきゃいけないんだって。
 なんだか思った。





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風で

 あとがき:望美ちゃんが泣くから自分を大切にする───価値は自分ではなかなか気づけないものです。     (2005.4.22サイト掲載)




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