奥さんの初仕事  ≪望美side≫





 小さな庵みたいな所。
 隣のおじいさんとおばあさんがお世話してくれるんだって。
 わ〜、桃太郎な世界だ・・・・・・
 着いたらご飯が用意されてた。
 嬉しいな〜。お腹空いてたの。
 だって、基本的に朝晩しかご飯食べないんだよね。
 一日二回!育ち盛りには厳しい。
 いいダイエットにはなるけど。

 でね。お片づけは、おばあさんとしたんだ。
 だって、奥さんの仕事でしょ?
 その間に景時さんはお風呂。
 なんだか夫婦っポイ。
 実際そうなんだけど・・・・・・
 
 景時さんのお家って、お邸だから。
 あんまり仕事ないんだよね。
 他に人がたくさんいるから。
 全部ひとりでするなんて無理だし。
 だからって、しないのも寂しいし。
 でも手仕事ばかりだから時間だけはかかる。
 炊飯ジャーとか。
 便利商品だよ、あれは。
 シャワーなんてありえない。
 
 明日の朝ご飯の準備も終って。
 景時さん、ひとりでお庭見てた。
 一応お酒なんて用意してみたり・・・・・・
 月がよく見えるね。

 お風呂入って。
 また景時さんの所へ行ったら。
 誰か来てたのかな?
 盃があるし。おじいさん?
 お酒が飲める人だよね。
 隣に座って。
 しばらく二人で月を眺めていた。
 夜桜見物というには、外が暗すぎて。
 何も見えないけど。
 春の気配は感じられた。



 くしゃみが出た。
 まだ寒いんだ〜夜は。
 景時さんが風邪引かないうちに寝ようかって。
 今日から一緒の褥で寝るの。
 二人なら寒くないね。

 下弦の月だけが明るい。
 細くなっていく月。
 月には何もないよ?
 夜を照らすだけ───
  





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風で

 あとがき:脱走初日は、こんな感じで終りました♪     (2005.4.3サイト掲載)




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