宝物 ≪望美side≫ 宝物が出来た! 景時さんからの恋文。 私のね、宝物箱に入れた。 ここには色々な物が入ってるんだ。 景時さんは、覚えてるかな? 春の京で、神泉苑で拾ってもらった桜の花弁。 戦の時に摘んだ道端の小さな花。 花火をみせてもらった、勝浦の砂浜で拾った貝。 戦いで怪我した時に縛ってくれた布。 もちろん洗濯済み! 紅葉もある。 全部想い出の宝物。 で!とっておきの恋文も加わるの。 汚したら勿体無いな〜と思って。 それこそ料紙が高くて勿体無いんだけど。 大切に包んで箱へしまった。 さて、宝箱をしまおうと手にとったらものすごい音がした。 玄関からここまで景時さんが走ってきたみたい。 「ちゃん!」 景時さんが部屋へ入ってきた。 「あっ!ご、ごめんね〜、声もかけないで入っちゃった!」 膝を突いて、顔の前で両手を合わせて謝る。 可愛いな〜、景時さん。こういうところ大好きv 「大丈夫ですよ?何かありました?」 景時さんの前に座る。 「あ、あのね・・・・・・」 俯いて、急に歯切れが悪くなる。 「何ですか?」 どうしよ〜、頭ぐりぐりしたいくらい可愛いv また何か気になっちゃってるんだな〜。 なんでもど〜んとコイなんだけどな。 「もうすぐ、オレのお嫁さんなんだけどね・・・・・・」 ん?それはそうなんだけど。 何かまずいことが起きたのかな? 「・・・・・・景時さんも、お婿さんですね?」 なんとなく言ってみた。 「そうなんだけど・・・・・・あのぅ・・・・・・オレの事好き?」 恥かしそう。 身長差があるから、景時さんの方が大きいのに。 小さくみえるよ〜。 こういう時に、恥をかきなれてるな〜って思うの。 だって、私ってみんなの前で『景時さん大好き』発言してるし。 何回だって言えちゃいますv 最初はね、恥かしくて貧血しちゃったけど。 今では笑顔だって、一番近くでみられるんだから! 「大好きですよ」 ぱぱぱっと景時さんの顔が輝いて。 よかった〜と思ったのも束の間、また小さくなってしまった。 ん〜?おかしいぞぅ? 「あ、あの・・・・・・オレのどこが好き?」 ええっ?!どんな答えをお求めですか? 「景時さん?どこって・・・・・・全部だよ?そんなのひとつひとつあげたら きりがないもん。全部で景時さんなんだから、どこってどこ?」 固まったまま動かない。 う〜ん。どうしよう?恥かしいけど抱っこかな。 膝立ちになって、座ってる景時さんを抱きしめた。 「えっと。この髪も景時さんで。手も景時さんで。身体も景時さんで。 声も景時さんで。さっきみたいに私を大切にしてくれるのも景時さんで。 全部、ぜーんぶ景時さんです。選べないよ、全部大好きだから」 景時さんの髪なんて、膝枕の時にしか触れないから。 そっと頭を撫でてみた。 「ちゃんって、スゴイ!!!」 ぎゅうぎゅう抱きしめられて、苦しかった。 「オレね、すっごく自信がなくなっちゃって。そしたら弁慶が聞いてこいって。 だから、一生懸命走って帰って来たんだよね〜。オレって馬鹿」 解決・・・したのかな?やっと腕を緩めてくれた。 「ところで・・・その箱なあに?」 大きさにしてA4サイズの箱が気になったらしい。 「私の宝物です。全部が景時さんとの想い出なのv」 景時さんだから、蓋を開けて見せてあげた。 「景時さんは・・・覚えてますか?」 景時さんの顔をみたら、真っ赤だった。 「う、うん。あの・・・・・・」 景時さんのしたい事がわかったから。黙って目を閉じました。 ほんとは、こういう景時さんが一番の宝物なの〜v こればかりは保存がきかないんだよね、残念! |
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≪景時×神子に30のお題≫の続編風で
あとがき:景時くん、心配ご無用!恥は、かきなれってものですよv (2005.3.12サイ掲載)