≪景時side≫





 ちゃんってスゴイ!
 オレの心の波が暴れ出しそうになるのを、
いつもピタッ!と止めちゃう。
 “凪”をくれる。
 ちゃんを思いっきり抱きしめて。
 どさくさ紛れに口づけさせてもらって。
 いや、本気で口づけたかったし。
 どさくさは適切じゃないね。

 足取りも軽く仕事に戻る。
 本気で嫌なモノを見るような視線の九郎。
 え〜、何かな?その目は。
 うむむ。“馬鹿”と思ってるな?
 そ〜だよ、オレはちゃん馬鹿だから。
 いいの、いいの。
 弁慶は、「答えは見つかりましたか?」って。
 これだよ、これが大人だね。
 「もう、ばっちり見つかっちゃったv」と、オレは
大人気なく答えた。
 弁慶のクスクス笑いすら耳に心地よい。

 さっさと仕事を終らせて。
 愛しい君が待つ我が家に帰るんだ。
 あ、九郎が何か言いたそうだ。

「それで?はお前のどこがいいって?」
 わかった、参考までに聞きたいんだな?
 九郎って、もてるのに。
 態度が怖いから退かれちゃうんだよね。
 いくらでも話せるけど。もったいないな〜。
 弁慶も聞き耳立ててるな?
 それじゃ、教えてあげよう!

「オレの事全部だって!」
 ど〜だ、参ったか!
 どこなんて小さいものじゃないんだ。
 朔に邪魔扱いされる、この大きな身長も。
 頼りないって言われる性格も。
 全てが君に愛されてるんだって。
 
 オレ、もう大変だよ。
 君に好かれてるんだよ?オレが。
 はじめて自分で自分が好きになったね。
 だってさ、ちゃんが好きなものは。
 オレも好きなんだから───
 





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風で

 あとがき:主体性がなさそうで、ありそうで。そんな景時くんv     (2005.3.14サイト掲載)




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