いつでも一緒  ≪景時side≫





 宝物があるんだ。
 ちゃんがくれた文。
 いや、オレ宛の恋文!
 ここ、重要。
 
 こんなに嬉しいものなんだね。
 オレから先に渡せればよかったんだけど。
 ちゃんはオレの事を、とてもよく知っていて。
 先にこっそりくれた。
 あ〜、もう!
 君はいつだってオレを喜ばせるのが上手。

 “はあとまあく”も覚えたし。
 大好きってしるしなんだよね?
 これはね、なかなか深いしるし。
 ちゃんの世界には、面白いものがたくさんある。
 そっか〜、みんなでしるしを共有してるから。
 言葉がなくても、記号で想いを伝えたり出来るんだ。
 それは便利。
 これ、使えそうだ・・・・・・



 仕事場で、時々君の手紙を出しては読みふける。
 長い文章なわけじゃないんだけど。
 いつも一緒っぽくて嬉しい。
 ついつい、眺めてぼんやりしちゃうんだよね〜。
 そしたら、九郎に注意された。
「その締まりのないない顔を何とかしろ!」だって。
 オレの顔は、もとからこんなだよ〜っていったらさ。
「少々鼻の下が長くなりましたよ?」って、弁慶にも言われた。
 
 顔が伸びたってこと?!それは大変。
 ちゃんに嫌われちゃう!
 まてよ、ちゃんて、オレのどこを好きになってくれたのかな?
 顔・・・は、まあ。そんなにヒドイという方ではないと思う。
 いや、思いたい。
 性格・・・は、少々軟弱もの?
 これは、後で考える。
 体型・・・は、人並みの身長はある。
 どちらかといえば大きめ。
 年齢はぁ・・・・・・けっこう離れてるんだよね〜、ちゃんと。
 うわぁ〜〜〜〜って。
 これ、全部声に出ていたみたいで。
 後ろから殴られた。もちろん、九郎に。
「惚気る暇があるなら仕事しろ!!!」
 九郎のこめかみに、青筋をみた!
 
 でもさあ、これって大問題じゃない?
 オレのどこがいいのか、オレが知らないのって・・・・・・
 どうしよ〜、このままじゃ仕事も手につかない!
 ちゃんに『好き』って言うのに精一杯で。
 『好き』って言ってもらって、肝心なこと忘れてた!
 どうすればいいんだぁ!
 
 またもや声に出ていたようで。
「だったら、今すぐ聞いてきたらいかがですか?」
 弁慶が、さらりとオレに言う。
 それだっ!!!
 オレは、一目散に家へ向った。

 

 そろそろ日差しも気温も、春に近づいた日の出来事。






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風で

 あとがき:景時くん、慌ててますねぇ。アホの子だ(笑)     (2005.3.12サイト掲載)




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