東だけど西  ≪望美side≫





 ちょっとだけ違和感。
 だって、京都駅を中心にしてあるのよ、地図。
 西なのに東寺って・・・・・・私にしてもヘンな気分。


「駅はあっちですね?」
 はっきりいって地図の必要なし。見えるもの。
 もう必要ないからしまっちゃお〜っと。
 もともと景時さんがいれば必要ないけどねっ。
「歩くの疲れた?」
「大丈夫ですよ。前はもっとたくさん歩いたでしょ?」
 そう。電車も車も無い異世界の京では、馬か歩きだけだった。
 景時さんが笑ってくれた。
「実はね、手を繋げるようになってから歩くの嬉しくってさ」
「私も!」
 時々寄り道しようとすると、手を引かれる感覚が。
 ちょろちょろしてる私を掴まえていてくれる手が大好き!

「お土産を買わなきゃね〜〜」
 景時さんに手を引かれるまま、するするっと駅ビルに入ってみた。
「うわわ!たくさんあって迷っちゃう」
 いかにも“京都ですっ!”なお店から、ちょっとおしゃれなお店までたくさん。
 学校が始まるまで日持ちしないと困るんだよね。
 食べ物・・・ならお菓子系。
 それと、小物があったら嬉しいな。





 結局ぐるぐるしまくって買ったのは、限定シリーズのお菓子と金平糖。
 それに、可愛いお香。

「買い忘れはな〜い?」
 景時さんたら、何も買ってない!
「景時さん!景時さんは何も買わないの?えっと・・・・・・」
「うん。買う人いないし」
 うぎゃっ!・・・・・・お土産って・・・確かにそうかも。

「景時さん!二人のお土産買おう?記念に」
 まだ時間はあるし、大丈夫。
「あはは・・・実は、もう決めてたりして」
 は?
ちゃんに気づかれないように、どうしたら買えるか考えてたんだよね」
 真っ赤になってる景時さんが可愛いっ!
「一緒に買いましょう?」
「え〜〜〜!それじゃ驚かせられないし・・・・・・」
 ん?と、いう事は。
「もしかして、私に?」
「・・・うん」

 ・・・それじゃ二人のお土産じゃないよ。私にじゃチガウ。
 だったら、私も景時さんに買う!

「じゃ、二十分後にココで待ち合わせ」
ちゃん?!」

 景時さんを置き去りでダッシュ!
 私も景時さんにお土産買うんだ〜。楽しいな。
 湯呑みにするの。さっき清水焼の見かけたんだ〜。
 あれなら景時さんの大きな手にピッタリで、渋め〜と思って見てたの。
 もちろん、おそろい。
 私のは桜色のにしよう!二つ並んでたもの。セットだよね。

「これ下さい!」
 よかった〜。残ってた。
 早く戻らないと、景時さんに心配かけちゃう。
 急いで戻ると、景時さんはもう立ってた。



「お待たせしましたっ。これ、帰ってから開けましょうね」
「早かったね〜。決めてあったんだ」
 ヒミツ。そんなの内緒。
 きっとね、ぴったり。普通のじゃ小さく見えちゃう大きな手だから。
 よかった、買えて。
「今度は二人のお土産探しだよ?」
「あはは。二人の・・・ね!」
 
 どうして二人のだと迷っちゃうんだろ?
 何故か食品フロアーでウロウロ。
 どれもこれも食べたくなっちゃうな〜。

「夕飯のお惣菜買おうかな・・・・・・」
 つい、そんな事を思ったり。

 で。結局最後に寄ったお店でお土産を買うことにした。
「扇子かぁ・・・・・・いいね」
 そんなに高くないけど、扇ぐといい香りがするの。
 普段使いにいいよね?
 夏になったら便利だよ、きっと。
「えへへ。おそろいで残るものが欲しかったんですもん」



 ちょっとだけ荷物をがさがさ持ちながら、約束の新幹線を目指す。
 西から東へ大移動。
 新幹線で食べたお弁当は美味しかった。






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:お土産は待つ人に買うものなのですよ。ギフトと思えば、あげたい人に、あげたい時にvvv     (2006.06.30サイト掲載)




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