ここでもね!  ≪景時side≫





 間違いなく、オレも知っているその店は。
 京都という街ではとても地味に。
 それでいて、しっかり街に溶け込んでいた。

「こっそりあるんですね〜。でも、メニューは同じだぁ・・・・・・」

 ちゃんは本当に面白い。
 いつもオレの事を『知りたがりさん』とか言うけどさ。
 ちゃんも好奇心が旺盛な方だよね。
 付き合いがいいというか・・・オレが引っ張られてるし!


「ポテトと飲み物かなぁ?ナゲット食べちゃいます?」
「そうだね〜、二人で分ければ丁度いいかな。え〜っとね・・・・・・」
 さりげなく隣で注文するオレを見ていてくれる。
 いつもオレの隣にちゃんの頭が見えるんだよね〜。
 これって、嬉しくない?
 いつも隣にいてくれるってわけで───


「席を探してきますね!」
「あ・・・わかった〜」
 ・・・少し寂しい。
 でもね。
 ちゃんが手を振ってオレに場所を知らせようとするのが見られる。
 すぐに見つけられちゃうんだけどね。
 言わないんだ。
 だってさ・・・・・・


「景時さん!こっちだよ」
 片手を上げて、オレを呼んでくれるのが嬉しいから。
 オレも軽く片手を上げて、見つけた事を合図する。
 これにはもうひとつの効果がある。


 『なんだ。彼氏付きだ』
 『他を探すかぁ・・・・・・』


 ほ〜らね。
 女友達と待ち合わせじゃなくてゴメンなさいよ〜。
 しかも、オレの可愛い奥さんになる女の子だからね。
 声なんてかけたら、後でヒドイよ?
 あれだ。
 将臣君風に言うならば・・・“シメル”ってやつ?
 

「お待たせ〜」
「すっごく待ちました〜」
「ええっ?そんなにかかっちゃった?」
 時計を見れば、五分くらい。
 飲み物が欲しかったとか?
 先にちゃんの飲み物を差し出してみた。


「待ってたのは景時さんをだよ?」
「・・・・・・・・・・・・はいぃ?」

 やられた!ちゃんは時々こうなんだよな〜。
 オレの反応を楽しんでるのかと、疑いたくなる。

「だってね〜、周り見てたら羨ましくなっちゃって」
 言われて見回せば、時間が時間だしね。
 確かに・・・二人が多いね。うん。

「私だって来るんだぞ〜って、すっごく待ちました!」
「うん。オレも。ちゃんが先に行っちゃって寂しかった」
「きゃ!そっか。そうですよね〜、私が席をキープに来ちゃったんだ」
 慌てて口へ手を当てるちゃん。
 その仕種、かなり好き。
 困らせたいわけじゃないから、何か言わないとね。
「でもさ、混んできたからよかったね。座れなかったら困るし」
 そして先に食べ始めよう。そうすればちゃんも食べやすいよね。

 このポテトなる食べ物。
 じゃがいもなんだよなぁ。
 譲君が初めて天ぷら作ってくれた時も驚いたよ。
 油は明かりに使うと思っていたからね。
 じゅわじゅわ野菜を揚げ始めちゃうし。

「ですよね!よかった。明日の順番決めましょ!」
「りょ〜かいっ」
 ガイドブックを広げて二人で眺める。
 回る場所を決めるのなんて、どこでしてもいいのにね。
 外でって、特別でいいよな。
 少しだけ自慢・・・なのかな。
 次はコンビニだ!
 また新しいモノあるといいなぁ。






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:景時くんと望美ちゃんなら、どこでも楽しく過ごせそうだなぁと。いつも通りにvvv     (2006.05.16サイト掲載)




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