寛ぐ  ≪景時side≫





 なんだかね・・・初めて酔ったみたい。


 そんなに飲んではいなかったんだよなぁ。
 ただ、冷酒は後から効く。
 ちゃんと二人だなぁとか思ったら、やたら楽しくなってた。

 記憶は・・・ある。
 風呂にも入った。
 シャワーだったし、いや、もう、早業で。
 頭からワシワシ洗ってすぐに出た。

 自分では五分くらいと思ってたのに。
 ちゃんいないし。
 ものすっごく寂しい気持ちが押し寄せた。
 これが酔ってるってコト?
 感情の起伏が激しい。


「景時さん!」


 この声だ〜〜。オレの名前を呼んでくれる人。


「いた〜!よかった」


 そのまま温もりを確かめる。
 今度は嬉しい波がどんぶらこだね、こりゃ。
 こんな変なオレなのに、ちゃんってば怒らないし。

 そっか・・・酔ってもいいんだって。
 いいんだって思ったら本気で酔ってきた。
 口がとにかく滑らかさんで。
 朔がいたら・・・小言じゃすまないね。
 正座付きだな。
 いや、いや。
 壁に向かって朝までかもしれない。
 禅寺じゃないって!



 ぼんやりとくだらない事考えてたら、視界が暗くなる。
 ちゃんの悪戯だ〜。
 目隠しされたけど、怖くは無い。
 この手の持ち主をオレはよくご存知だから。


 またまた楽しい気分でちゃんの髪を乾かす。
 この作業は好きだったりする。
 乾くと髪が軽くなるんだよね。
 便利な道具だなぁ、ドライヤーって。
 それに、ちゃんの匂いがするから。
 乾かしてもらうのも気持ちイイけど。
 乾かしてあげる方がもっと好きかな〜。うん。



「お〜しまい!向こうへ行こう?」
 記憶、あるよ?
 約束したもんね!今日は仲良しの日。

 が、先にって言われたので素直に先に転がることにする。
 これまたいいなと思うのがベッド。
 ふわふわだけど、しっかりしてるトコ。

「う〜ん。ちゃん、向こうで寝苦しかったろうなぁ」
 土敷とかあってもさ、所詮床の上と大差ないし。
 硬かっただろうなぁ・・・・・・褥だけじゃ。


 またも考えがどうでもいい方向に脱線し。
 ちゃんを待っているつもりが、そのまま眠りに落ちる。


 初夢は・・・見なかった。
 また明日!






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:短いですが、景時くんの心中をちょろりと☆     (2006.03.28サイト掲載)




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