見張り番  ≪望美side≫





 視線探知機とか発明してもらおうかなぁ・・・・・・。
 でもぉ。使い方聞かれたら困るのよね。



 朝ご飯は、自由になっていたから。
 どこでもいいんだぁ〜って嬉しくて。
 ちゃんと昨日読んでおいたの。案内の紙をよぉ〜く。
 めったに食べられないものを食べたいでしょ。

「焼きたてパンの朝ご飯でいいですかっ!」
 もう決めてたから、『朝はご飯がいいな』なんて言われたらどうしよって。
 ちょっとは思ったんだけど。
 朝から爽やかスマイルで、
「いいよ〜。焼きたてって、温かいのかな〜〜〜」
 ちょっと貧血。
 その顔は大好きすぎて、大変。


 で、のんびり朝ご飯って思ったんだけど。
 この選択は間違っていた。大失敗だよ。
 旅行できているお姉さまたち好みよね、こういう朝ご飯って。

 視線が彼方此方からビシビシっと。
 見てる。
 ほら、また見てる。
 景時さんたら、気づいてないの?!
 もう、パンの味なんてわかんないよっ!!!

ちゃん?はい、あ〜んして」
 は?
 考え事している時に不意打ちで言われたから、素直に口を開けちゃった。
「これがね〜、チョコレートパンみたい。どこにチョコがあると思う?」
 ・・・・・・チョコって。この場合、固形物はないと思う。
「この黒い辺り・・・」
「ふ〜ん。チーズだと、チーズがあるよね?チョコはチョコ無いのかな〜って」
 景時さんのパンのお皿を見れば、全部試したみたいで。
 見事に散らかってた。

「チョコ・・・食べたかった?そういうパンも売ってるよ?ここには無いけど」
「そうか〜、素材が入ってるかなんだね!ちゃんがいつもチョコって言って
たから。好きかなぁ〜ってさ」
 うきゅきゅっvまたまたイライラが無くなった。
 
 それにしても、景時さんって熱心だよね〜。
 食べるのにもそんなに色々考えてるの?

「クロワッサン、サクサクだよ?」
 今度はお返しにちっょぴり千切って景時さんへ出すと、ぱくって食べてくれた。
「ん〜〜〜、これも美味しい。ちゃんはソレが好き?」
「好きっ!」
 今の景時さんの顔が!
「そうかぁ〜。ちゃんはクロワッサンが好きなんだね〜」
 そうだけど。今の好きはホントは景時さんに言ったんだもん。気づいてよ。
「他は?他には何が好き?」
 あれ?私がリサーチされてる・・・・・・。
 逆だよ。私が景時さんの好きな食べ物知りたいのにぃ。
「景時さんは?どれが好きでした?」
「ん?美味しかったよ、どれも」
 違うでしょ〜。食べられるって基準じゃなくてだよ?


 二人でイチャイチャしているように見えたのかな〜。
 してたけど。
 で、でも。
 景時さんが言うから自然にそうなっちゃっただけで・・・・・・。
 わざとじゃないもん!!!
 
 いつの間にか、視線は無くなった。
 よぉ〜く見張って、しっかりイチャイチャして。
 悪い虫は撃退しちゃうんだ!

 藤原さんの家には・・・ライバルいないよね?
 女の子いないって言ってたし。
 でもぉ・・・秘書の人とか。お手伝いの人とか。
 いそうな気がする〜、キレイなお姉さん’sが。
 先制攻撃に限るよね。
 何しちゃおうかな〜〜〜。






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:焼きたてパンとあると、飛びつくのは氷輪です(笑)     (2005.9.17サイト掲載)




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