イベントは気合 ≪望美side≫ 実家に帰ると同時に着物の事を確認したくて。 もう、ママを引っ張って二階へGo! ママって、よく私たちに着物を着せた。 “たち”って言うのは、パパと私。 普通のお家よりたくさん着てるんじゃないのかな? お正月も夏の浴衣も、普通に着てた。 「ね、私の着物荷物に入れてね!景時さんのはどうしよ?買うの?」 「買うのは間に合わないわ。仕立てる時間ないし。パパのがたくさんあるから、好きなの 選びなさいな。着物はサイズをあまり気にしなくても平気なのよ?パパも大きい人だし」 そうなの。今まで気づかなかったけど。 パパも行成おじ様も。将臣くんも譲くんも。 背が高いんだよね〜〜〜。 でも!景時さんが一番大きいんだ。 「そうだ、ママ。とんでもない下着が入ってたよ〜?慌てたよ」 「何だったかしら?紫子さんと、可愛いのたくさん買って楽しかったわよ?」 ママったら。やっぱりウキウキで買い物したのね〜? でも、わかる。下着って、どうしてあんなに買うのが楽しいんだろう。 ・・・・・・そうじゃなーーーーーーーーい!!! 「紐だよ、紐の。紐なのにシースルーの白でさ。デザインと布があってないやつ」 そうなんだよね。もう、紐なんだから派手な色と布でもいいと思うのに。 どういうわけか清楚な白で。ただ・・・布がシースルーは意味ないと思う。 「あ、あれね。パパの意見を参考にママが選んだの。可愛いでしょ?」 「・・・・・・意見って?」 ここは確認しておかないと。どういう魂胆なのよ、パパ! 「えっと・・・何だったかしら?そうそう、景時さんにサービスとの怠け防止だった」 は?怠け防止って?顔しかめちゃうよ、私。 「スタイルは良い方がいいよって。イイ女になれるお守りにって言ってたわ。ママもそう 思うのよね〜。だから、セクシー下着を入れなきゃって」 とんでもない両親だと思う。ママを丸め込んだのね。違う、上手く誘導したって感じ。 ただ、選んだのがママだから微妙な下着になったと。・・・・・・納得。 でもね、パパとママみたいな関係になりたいんだ〜。 ママはね、私には“パパ”って言うけど。普段は“雅幸さん”って呼んでるし。 パパだって、“花奈”って呼んでるの。 いいなぁ〜、呼び捨て。 「ね、ね!ママって、いつからパパに呼び捨てされたの?」 「いつからって・・・最初は違ったわねぇ。あら、そういえばいつかしら?」 ママに期待したのが間違いだった・・・・・・。 ママって、周囲を自然に受け入れちゃうタイプだもんね。 「そうだわ、この家で二人で暮らすようになってから。気づいたら呼ばれてたわ」 そうなの?じゃあさ、私も可能性あるよね。 景時さんと二人暮し始めたしさ! 「は呼び捨てされたいの?」 「うん!特別っぽくて、ちょっと憧れてるの。でもね、今までと同じ普通も嬉しいから。 そのうちでいいんだけどね。景時さんに“ちゃん”って呼ばれるのも好きだし」 そ〜なの。名前って、その後なんてどうでもよかったりして。 重要なのは、私を“”って思ってくれてるかなの。 だから、“ちゃん”はね。オマケと考えればいいのよ。 ・・・でも呼び捨ていいなぁ〜〜〜。はぁ〜〜〜。 実際呼ばれたら、貧血しそうだけど。 「って、変な事ばかり考えてるのね」 ママが笑う。そっかな〜?そうでもないと思うけど。そんなこと言うママの方が変だよ。 「この着物がいいな〜。景時さん色だよ」 「あら、いいんじゃない?そうだ、せっかく京都へ行くんだから。向こうで着物を買えば いいわ。お下がりじゃなくてね。来年はそれにしましょう?仕立ててあげる」 やった!着物、欲しかったの。ちゃんと景時さんのが。 気づくのが遅かったな。後少し早ければ、買えたのに。 出来合いは嫌だから、反物をみたいな〜なんて言うのが贅沢だったかな? 夏は浴衣を事前に用意しなきゃね! 「そういえば。景時君どうしてるかしら?」 ママが今思い出した様に呟いた。 「・・・・・・大変!」 駆け足で階段を下りた。パパにイジメられてたら! 私の旦那様なんだから!大切にしてよねっ。気持ちは夫婦なんだから! |
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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ
あとがき:わざわざ“大切”って言わないのがさり気ない父母なのでしたv (2005.8.3サイト掲載)