これは、これで  ≪景時side≫





 こちらの世界での食事は。
 二人で入ると、向かい合わせで座る。
 ずぅーっとちゃんの顔が見られるわけで。

 野原とかで。
 隣あわせで食べたおにぎりも嬉しいけど。
 これはこれで楽しい。
 ちゃんは、ほんとうに美味しそうに食べるよね〜。
 オレまで幸せな気持ちになる。

「今日は・・・ごめんね?図書館行った帰りに、ちょっと待っちゃってみようかな〜なんて」
 朝から待っていたとは言えず。
 誤魔化しつつも、なんか騒ぎになっちゃったから。
 ここはきちんと謝る。
「え〜!迎えに来てくれたのかなって嬉しかったのにぃ。ついでなのぉ?」
 ちゃんの頬が膨れる。
 怒ってるわけじゃなさそうだ。その証拠に目が笑ってる。
「えっと、朝から学校に行こうか考えてて。お昼だから、ご飯だなって思いついて・・・・・・」
 用事もないのに行ったら変かなって・・・一応考えたわけなんだよ。
「ご飯じゃなくても、いいのに。でも・・・・・・目立っちゃってましたね!」
 ええっ?!用事なくても迎えに行っていいの?
 目立ってしまった事については、言い訳のしようもないよ。
「あはは〜。やっぱりどこか変なのかな?」
 異世界の人間ってわかるんだろうか?
「違いますっ!格好いいからだって言ってるのにぃ・・・・・・」
 あらら。今度は本気で怒らせちゃった。
「・・・うぅ〜んと。自分じゃわからないし。そんなの・・・自信ないし・・・・・・」
 いつも“ヘタレ”と怒られてばかりいたオレがだよ?
 格好いいわけないじゃないの〜〜〜。
「じゃ、わからなくてもいいから。他の女の子に声かけたりしないでね!」
 おおっ!それは覚えたよ、指きりだよね。
 ちゃんと小指を繋ぐ。
 じんわりシアワセ。
「景時さん?嘘吐いたら拳万なんだよ?」
 オレの顔はそうとうゆるんでいたらしい。
 ちゃんに念押しされた。
「うん。平気、平気〜!オレね、ちゃんだけはすぐに見つけられるんだ」
 そ。これは事実。同じ“制服”を着ている女の子の集団の中でも。
 ちゃんだけはすぐにわかった。
 きらきらしてる。
「えっと・・・私も景時さんはすぐにわかるよ?べ、べ、別に背が高いからとかじゃなくてね!」
 あはは!可愛いなぁ〜。
 オレ、でかいからほんと目立つよね。
 いいよ。君に見つけてもらえるなら───
 
 この身長も悪くないと思う。





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:なぜ望美ちゃんの気持ちが読めるのか?ずーっと顔みてるからなんですね(笑)     (2005.6.25サイト掲載)




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