賢者の贈り物  ≪景時side≫





 ちゃんと新居を見に行った。
 なんだか、もう。
 同じ床なのにね。おしゃれな感じがした。
 床だよ?木の板なんだよ?
 オレの家はさ、もっとカサカサした感じだったよな。
 ぴっかぴかのつるつるだ。
 う〜ん。滑らないようにしないとね。

 六階の部屋は、九郎たちのものに決まった。
 ちゃんは、白龍との約束をしっかり色々考えている。
 オレたちが行けるって事は、向こうからこちらへも不可能な話じゃない。
 とは思う。そりゃそうだ。
 ただし、向こうが来る場合は人数がものすごいケドね。

 久しぶりに膝枕してもらった。
 ちょっと不埒な事を考えたけど、我慢。



 インテリアを見ていたら。
 ちゃん好みに揃えてくれる人が既にいた。
 雅幸さん・・・いや。お父さんには、まだまだ敵わない。
 ちゃんは気づいていないかもしれないけど。
 ありとあらゆる所にちゃんを守るための見えない壁を感じる。
 オレがこれをしないといけないんだよね。
 ちゃんを守る───
 怪我とか単純なモノだけじゃなく。
 精神的にも。しっかり包みたいと思っていた矢先。
 何故かちゃんが泣き出してしまった。
 もうね、涙が目にいっぱいで。
 見た目はそんなに大泣きしていたわけじゃないけど。
 オレは手を繋いで公園へと移動した。
 
 地図はね、わりと簡単に頭に入る。
 一呼吸の間くらい見られれば充分。
 これはオレの特技。
 自慢できる内容じゃないから言わなかったけどね。


 
 ヤキモチって、何て嬉しいんだろう。
 ちゃんには悪いけど、本気でそう思った。

 今よりもっと私を好きになって───
 身体が痺れる君からの甘いメッセージ。
 そんなにオレが好き?オレが必要?いま以上に好きにさせたいの?
 欲張りなちゃん。
 これ以上、君にあげられる“オレ”は残ってないのにね?
 全部君のモノだよ。好きにしていいのに・・・さ。

 「大切にしてくれる?」
 隠されたオレの本音。君にだけ大切にされればいいんだ。
 他はいらないよ?
 
 もっとオレを信じて欲しいけど、もっとヤキモチ妬いて欲しい。
 ものすごい矛盾した気持ち。
 これが逆ならオレが泣くね。
 ちゃんと他の誰かが!
 あ〜、嫌だ、嫌だ。考えないようにしよう。

 こっそり不埒なこともまた考えてしまった。
 オレ、溜まってる?



 クリスマスプレゼントは。
 皆が喜んでくれたみたいでホッとした。
 考えたんだケドさ。
 行事事体に馴染がないから。
 迷ったりしたけど、決められてよかった。

 そうそう。プレゼントありがとね、将臣君。
 “アロエエキス配合”って何にイイのかな?
 今夜使ってみよう。パックね、パック。
 顔にぴた〜んと貼ればいいんだね。
 “男の美顔”ってのが笑えるよ。
 
 譲君は真面目だよね。
 “男の一人暮らし便利帳”なる本。
 ひとり暮らしではないけれど。
 生活という意味で便利っぽかったですよって。
 彼の事だから、色々読んでからこの本くれたんだろうね。

 ところで、何だろ?
 有川夫妻と夫妻からオレへの贈り物は後でって。
 ナマモノとか?
 うん。楽しみに待ってみよう。
 子供の時の、あのドキドキに似てる。
 明日、新しい本が届く日という時のあの感じに。



 ちゃんはもう寝たかな?
 ストラップを早速つけてみる。
 二本ついてるけど、これはお守りで本当のおそろい。
 翡翠なんて、頑張っちゃったんだね。
 明日、早く一緒に家に行きたいね。
 オレたちの家。
 もしかして、家か!プレゼントって。
 まてよ・・・・・・家はちゃんにだから。
 ちゃんがプレゼント?
 それならもう、結婚のお許しもいただいてるし。
 何か変だな。
 大人しく贈り物を待つ事にする。



 オヤスミ、ちゃん。
 明日は・・・午後には君に会えるね。
 





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:わくわくするでしょ〜。景時くんもビックリを考えなきゃ!←今からなの?(笑)     (2005.6.19サイト掲載)




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