運命の鍵  ≪景時side≫





 居場所が用意されているとは思わない。
 運命に流されている様じゃ、ちゃんは手に入らない。
 想像以上にこちらの世界は複雑で。
 何とかなると気軽に考えていたけど、自分は無力だった。
 それでも、オレは戦う決心をした。
 ここで存在するために。

 先代の八葉もこの世界で暮らしているという。
 そのうちに会いそうだけど。
 彼らは、運命を切り開いたんだと思う。
 用意されていた鍵をどう使うかは、やっぱり自分で決めるんだ。



 それにしても。
 ちゃんの父上は、何て言うか雲のような人だ。
 掴み所がない。だけど全てを見渡しているような。
 彼からちゃんを奪わなくてはならない。
 今のオレじゃ相手にもされていないだろうけど。
 敵はものすごく大きい。
 しかし、雲を包むほど大きな大気になれればいい。
 ちゃんが自由に楽しくいられるよう───

 母上は、これまた形容し難い人だった。
 よく笑う人だ。
 ちゃんのふんわりの原点を見た。
 蝶の様に自由にしてるんだけど。
 いきなり雅幸さんに着いて行く行動力。
 読めない・・・・・・かなり正直な人ではあると思う。
 好きなものは好き。欲しいモノは欲しい。
 ちゃんに気持ちをぶつけられるのは嬉しい。
 こういう事かと思う。



 ちゃんにキスしてもらったから、勇気百倍。
 オレが王子様かは、まだわかんないけど。
 ちゃんがお姫様なのは確かだ。
 とりあえず与えられた家でも。
 この鍵を。チャンスを活かせるかはオレ次第だしね。
 
 明日は空を飛ぶ乗り物に乗るんだよな〜。
 空だよ、空。
 どうもよくわかんないな。
 ただ、この世界の時間はとても早く進んでいる。
 遅れないようについていかないとね!





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:さて〜、飛んでこぉ〜い!景時くん。雲の上だよ、飛行機は♪     (2005.5.31サイト掲載)




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