景時さんを下さい  ≪望美side≫





 皆に挨拶した。
 この世界で、共に戦って。
 笑って過ごした、大切な人たち。
 ごめんね。私が悪いの。

 朔に、朝一番に話をした。
 「・・・・・・お兄ちゃんを、連れて行ってもいいかな」
 しばらく目を見開いていた朔。
 それから「どうぞ、持ってって」だって。
 素直じゃないな〜。ごめんね。

 お母様にもご挨拶。
 普通、お嫁さんをもらう時に旦那様になる人が言うんだよね。
 「お嬢さんを下さい」って。
 だから。お婿さんを連れて行く私は、もちろん。
 「景時さんを下さいっ!」って言った。
 お母様に笑われた・・・・・・。
 「愚息でごめんなさいね?」
 「いえ、とんでもございません!景時さんしか嫌なんです!」
 益々笑われて。
 お母様には、恥かしいところばかりお見せしてしまい・・・・・・。
 もしかして、最低な嫁だったよね・・・・・・。
 
 景時さんの家族は温かい。
 私に負担かけないようになんだよね。
 景時さんの優しさの理由がわかった気がした。



 いつもはお家で景時さんの帰りを待ってるんだけど。
 今日だけは一緒に景時さんの仕事場へ。
 九郎さんと弁慶さんにご挨拶。
 景時さんたら、それはもう大きな声で報告。
 次々と仲間が集まって。
 深く理由は聞かれなくて。
 またまた温かくなった。
 私の我侭なの。みんな、ごめんね。

 
 
 白龍に私の望みをお願いしよう。
 元の世界へ戻りたいの。
 景時さんと。
 将臣くんと譲くんと。
 白龍は、ここで黒龍と一緒に京を見守ってね。
 私の大切な人たちが暮らすこの町を。
 世界をお願いします。

 バイバイ!
 しんみりしちゃうのは嫌だから。
 元気に手を振って、別れを告げた。





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:「お嬢さんを〜」の時は、父に殴られイベントが。逆の時は、ないのね〜(笑)     (2005.5.5サイト掲載)




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