最後の日記  ≪景時side≫





 この世界で。この部屋で書く最後の日記。
 オレは明日、ちゃんの世界へ行く。
 
 一応は頼朝様に挨拶に行かなきゃいけないとは思ったけど。
 どう説明すればいいんだか。
 それは難しそうだったから、止めておいた。

 続いて京都守護邸へちゃんと二人で行く。
 九郎と弁慶に挨拶した。
 ───オレ、ちゃんと一緒に彼女の世界へ行くから
 二人は、快く認めてくれた。
 
 ちょうど敦盛君とヒノエ君も来て。
 二人にも声高らかに宣言。
 ───ちゃんの世界で暮らすから
 ヒノエ君は、何をいまさら行くんだって言うけど。
 いまさらじゃないんだ。これからのために行くんだから。
 
 そして。リズ先生にも。
 ───ちゃんの世界へ行くんです。今までありがとうございました!
 リズ先生は、黙って頷いてくれた。

 少し遅れて、有川兄弟も来た。
 そう、八葉が五葉になっちゃうね。
 でもさ、向こうに三葉いるから。
 全部で八葉には変りがないよ。

 朔と黒龍の事とか。
 白龍の事とか。
 仲間によぉ〜くお願いした。



 それにしても。住所不定で無職になるんだ。
 頼みの綱はお金だと思ったのになぁ・・・・・・
 ここでのお金は通用しないだろうからさ。
 向こうで売れる物を探してたんだけど。
 ちゃんには、昨夜笑われるし。
 住所はちゃんで、職業はちゃんの旦那って。
 それで大丈夫なの?
 ちゃんに頼りきりって・・・・・・
 どこまでいっても情けないな、オレ・・・・・・

 何はなくとも。
 明日、神泉苑からちゃんの世界へ行く。
 さよなら、みんな。
 さよなら、京の町、鎌倉。
 母上、朔。オレの我侭聞いてくれてありがと。





Copyright © 2005- 〜Heavenly Blue〜 氷輪  All rights reserved.


≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:日記は持参で行こうね、景時くん(笑)置いていって誰かに見つかると・・・それもアリ?!     (2005.5.5サイト掲載)




夢小説メニューページへもどる