確認 ≪望美side≫ アレはやっぱり私だけの夢だった。 小さな景時さんを、ぎゅぎゅってしたの。 だって、夢の話をした時の景時さん、笑ってるだけで記憶になさそう。 私の願望と不安が私に見せた夢─── 必死に景時さんを追いかけていた、あの頃の私の不安。 あまりにたくさんの願いが叶ってしまうから、怖くて少しだけ過去を 思い出した。 ちょっとだけ振り返って確認、そして、また進もうって。 そういう意味の夢だった気がする。 「うふふ。源太くん、似てると思うんだけどなぁ。お母様にとっては 孫だから、ついつい過大評価かな。ありえそ〜」 景時さんより賢そうって、景時さんは賢いんだし。 あまりに期待されると、それはそれで大変かなぁ? でも、こうしてみると、額のトコとか景時さんだよね。 「前髪ぱら〜んとかするのかな?」 今から髪型の事とか考えても意味なさそうなんだけど。 源太くんはどんな男の子になるのかなって。 「小さな手・・・どんどん大きくなるんだよね」 景時さんの手が大好きなんだ。 大きくなるといいな。・・・なってね? 「さて、さて。もう寝ましょ。二時間くらいは寝てくれるといいな。 それくらいなら慣れてるから」 野宿もしたし、かなりの強行軍もあったから。 細切れ睡眠は苦手だけど、出来なくもないし。 「おやすみなさ〜い」 一足先にオヤスミナサイ。 今日も一日楽しかったなぁ・・・・・・。 すぐに眠りが訪れて、そこで記憶は途絶えた。 「・・・待てよ?オレが隣になるには。う〜ん」 景時さんの声だ。 「沙羅ちゃ〜ん。今夜だけゴメンね?パパが隣。いいよね〜?いいよ〜」 うぷぷ。一人でしゃべってる。 可笑しいの。 すぐに背中に気配を感じて。 アレレ? 今日は背中合わせなのかしら? 「こうすれば沙羅が転がってもあんし〜ん!オレはちゃんの隣〜っと!」 小声で確認している景時さんが益々可笑しくて。 だけど、相変わらず目蓋は重くて開いてくれないの。 「源太。おやすみ。・・・ちゃん・・・この角度は無理だなぁ。残念。 では、では、こっちにね」 頬に何かがふわりと触れて。 すぐに背中が温かくなって。 景時さんがキスしてくれたんだ〜ってわかった。 何となく四人の順番を思い浮かべて。 親子四人の身長がバラバラで、それがもっと面白くて。 景時さんだけ飛び出てるんだろうなぁ。寒くないかな? 「沙羅。お姉さんになったんだなぁ・・・・・・源太もお兄ちゃんに なるんだろうし。五人だと、オレはどうしたらちゃんの隣に なれるかなぁ・・・・・・」 とっても、とっても大きな景時さんの独り言を聞きながら。 頭のどこかで、次はどっちかなぁなんて。 それより、いつの方が重要かしら。 三人目、いつなのかなぁ。 それより、それより。 大きくなったら、一緒になんて寝てくれないだろうし。 武家のしきたりとかよく知らないし。 景時さんの話を聞いてると、結構早くに一人で何でもさせられてた みたいだし。 いつまでこうして寝られるのかな。 今年の梅雨。 カタツムリさんを探してみようかしら? 夢に出てきてくれますようにっ! |
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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→京で二人の子供が?!
あとがき:何人家族がいいかな〜。着地未定! (2008.08.17サイト掲載)