湿気ってる  ≪望美side≫





 雨の前とか。
 空気が湿気っているから分かるよね。
 確実に雷がきちゃうな〜って。
 簀子で外を見ていた。
 だって・・・・・・

 景時さんの、ぴよぴよ〜の髪がぺしゃんこになっちゃう。
 服も濡れたまま仕事してたら風邪ひいちゃう。
 何より、景時さんの『大丈夫だって』って。
 声、聞きたいなぁ。


 あまりにボンヤリしすぎちゃって。
 景時さんがいたのに気づかなかった。


「そ、その・・・実は、まだ仕事の途中で・・・・・・」
 
 なぁ〜んだ。帰ってきたんじゃないんだ・・・・・・。
 それでも。
 私の事を心配して来てくれた。嬉しいかも。
 心配掛けちゃいけないなって。
 別に雷は怖くないし。
 平気だよって言ったら。


 雷様に嘘を見破られた。
 他に音がないからかな。
 頭の上で鳴ってるみたいに大きな音で。
 驚いて景時さんにしがみ付いちゃった。


 平気だけど平気じゃないから。
 早く帰ってきて欲しいなぁ〜って。
 お見送りしたくないけど。
 お仕事中なんだよね?



 景時さん、行っちゃうんだ〜と。
 玄関で別れを惜しんでいたら。
 ヒノエ君が何故か現れた。

「ヒノエくん!久しぶり〜。いつ熊野から来たの?」
「来たのは今。守護邸に顔出したら、弁慶が・・・・・・」
 ヒノエくんが景時さんの肩を叩いたよ?
「あんたはここで待機。俺が隊は仕切るから」
「ええっ?!どういう事?オレ、首?」
 景時さん、クビなのっ?!

「景時には、景時にしかできない役目があるからってさ。じゃあな、
姫君。また後で顔出すから。飯くらい食わせてくれよ?」
 ヒノエくんたら〜。弁慶さんはそこまで言わなかったと思うよ?
 美味しいご飯作って待ってるからね!

「皆に感謝しなきゃ。景時さん、お家で待機のお仕事だって」
 靴を履いたままの景時さんの手を引っ張る。
 待機って言ったって、外で立ってろって意味じゃないよ、きっと。

「はは。なんか・・・照れるね。仲間っていいねぇ〜」
 景時さんが靴を脱いでお家に上がる。
 急に背が大きくなっちゃったぞ?

ちゃんがあまり驚かないように耳を塞いでようかな?お腹に
悪いもんね。沙羅ちゃんもさ、驚いちゃうよ」

 
 ぎゅ〜〜〜ってされて、景時さんの心臓の音しか聞こえなくなった。
 やっぱり、貴方がいると安心する───






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→京で二人の子供が?!

 あとがき:やっぱり優しい景時くんがいいなぁ〜っと思うのですv     (2005.8.13サイト掲載)




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