聞こえる?  ≪望美side≫





 月のモノがこなくて。
 もしかしてって思う反面、ちょっと怖くて。
 考えていたら火傷しちゃった。
 
 朔に叱られながら手当てされて。
 そうだよね、火の前でぼんやりしてたら危ないよ。
 危ないんだけど・・・・・・。

 こんなんで、ちゃんとお母さん出来るのかな?
 この世界、この時代の出産って、大変なんだよね?

 知らないうちに涙が零れてしまった。
 朔が心配そうに見るから。
 もしかしたら、赤ちゃんかもって言ってみた。

「おめでたいことなんだよね・・・・・・」
「・・・・・・そうね」

 朔が返事に困っているのが、手にとるようにわかる。
 あんなに景時さん似の子供が欲しいだの話をしていたのに。
 いざとなったら、まだ覚悟が出来ていなかったなんて。
 すっごい駄目なお母さんで、子供に悪いよね。 
 皆にも悪い。
 おめでいたい事なのに、私が沈んでちゃ・・・・・・。



 景時さんのお母さんがぎゅってしてくれた。
 そう、私にはお母さんがいるんだった。
 
 景時さんの小さい頃の話を少し聞かせてくれて。
 こんなに大きくなるとは思わなかったんだって。
 どこで成長しちゃったんだろう?
 にょきにょき伸びちゃったんだよね、身長。
 不思議な気がした。
 今はあんなに大きくて、頼れるのに。

「怖いけど・・・頑張りますね」
「大丈夫よ。私だって二人産んだんだから」

 大ベテランのお母さんがいるから。
 少しほっとした。
 景時さん似の男の子がいいなって、やっぱり思った。
 小さく産んでみよう、うん。
 きっと可愛いよ、チビ景時さんv
 そんな事を考えていたら、景時さんが部屋へ飛び込んできた。

 ごいんっ!

さんは怪我してるのに!静かになさい!」
 あっ!って思ったときには、お母さんに拳固されてた・・・・・・。
 止められなかったよぅ、ごめんね。
 普段静かなお母様だけど、朔のお母さんでもあるって確信した。


「火傷、そんなに心配しなくてもいいですよ?」
 お仕事放り出して帰ってきてくれたんだよね。
 優しいなぁ。
 
 あなたには、私の心の声聞こえちゃうんだよね───

 赤くなってる頭を、そっと撫でた。
 むむぅ、コブになっちゃうかな?
 ごめんね〜、ごめんね〜、景時さん。
 もう怖くないよ。
 また怖くなりそうになったら、助けに来てね。
 今日みたいに。





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→京で二人の子供が?!

 あとがき:駆けつけてくれるだけで、嬉しかったりv     (2005.5.29サイト掲載)




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