それは別モノだから ≪望美side≫ 「どこに入っちゃうのかしら?」 あらら〜。何だか失礼よ?ママ。 「いいじゃない。若いうちは、これくらい普通よ!ね?」 紫子おばさまに言われると、そんな気になっちゃう。 それよりも。 今はこの美味しいデザートの方が重要。 とっても大切で忙しいの。 「コーヒークリームがね、苦味もあって美味しい〜〜」 うむむ。お子様っぽくない大人テイスト。 「さっきのブリュレも美味しかったしぃ。カスタードっポイのに甘すぎなくて」 スプーンを動かしていたら、いつの間か消えてたわ。 油断ならないんだわ〜、デザート。 食べたつもりないのに、食べ終わっていて。 「ちゃん。ほら、紅芋モンブランもあるの〜。レアチーズもあるわよ?」 「きゃ!向こうのタルトも美味しそうだしぃ・・・・・・」 お菓子の国のお姫様じゃない?私って。 「幸せすぎるぅ〜〜〜」 「馬鹿な事ばっかり言って。・・・少しは反省してるの?」 「うっ。・・・してます。してるんだけど・・・景時さんね、怒ってないの」 本当だもん。 「またそういう事を言って、景時さんに甘えて」 「違うよ。もう謝るのはナシって。もともと向こうが悪いんだからって言ってくれて。 私の髪を洗ってくれて・・・でね、寝ちゃった。珍しいんだよ?私より先に寝ちゃうの。 だから今日もお邪魔しちゃったの。ズルイかもしれないけど、景時さんは無理するから。 ここはね、安全地帯って言ってたし。もう一日くらいゆっくり眠れたらいいかなとか、 少しは私だって考えてるもん」 デザートだけが目的でお邪魔したんじゃないんだから。 デザートなしっていうのも考えられないんだけど。 「そう。よかったわ。昨日、無事な姿を見たけれど、やっぱりね。こうニコニコっとして いるのを見ないと心配で。将臣も偶には役に立つわね〜。来て欲しかったんだけど、邪魔 してどうするって叱られちゃったの。だけどね、携帯眺めて、急に誘ってくれるって」 「携帯〜?何でしょうね。そういえば・・・珍しく今日はバイト無いって。変なの」 バイト、バイトでまたバイトの将臣くんらしくない・・・かも? 「何かしらね。将臣君、沖縄で潜りたいって言ってたわね〜。夏なんてあんまり真っ黒だか ら、痛くないのか聞いたのよ?」 「あれは平気よ。好きで潜ってるんだし。ゴーグルのところが変な焼け方して、わが息子で も、まぬけな顔ねって言ってやったわ〜」 何だか将臣くんの評判って、あってるけど、変なのばっかり。 テスト期間中も遊んでるしぃ。 頭はいいんだよね。真面目さが足りないというか、無いだけで。 「将臣くんて、いつ勉強してるのか不思議ですよね〜。わからないトコロ教えてって頼むと 面倒そうに教えてくれるんですけど・・・教えられるほど理解しているとは思えない授業中 の態度で。・・・よく寝てるし」 嘘じゃないもん。 思いっきりイビキとかの時なんて、起こしてあげてるもの。 それなのに私より成績いいんだよね。なんかムカついてきた。 「それね、追試とか二度手間が嫌なんですって。バイト以外に時間を使いたくないから、睡 眠学習とかふざけた事いってたわ。確かに面倒くさがりだから、わかるといえばわかるのよ。 勉強ができるというより、これぐらいテストの点をとれれば落第しないって考えみたいよ。 その点、譲は出来るだけパーフェクトに近づけたいタイプだから、勉強ばかりしてるわね」 はぁ〜っ。頭が下がるわ、譲くん。 やっぱり将臣くんは、よくわかんないトコが多い。 二人を足して割った感じが景時さんかしら? お勉強もするけど、必死さはないし。軽そうなんだけど真面目だし。 「景時さんもね、教科書読んだだけでわかっちゃうみたい。なんだか一生懸命テスト勉強し てる私が可哀想だったよ」 「お父さんに似ればよかったのにね〜。残念ね?」 「う〜ん。意地悪パパに似るのも考えちゃう。今のまんまで私でいっかぁ。・・・プリンも 食べたいなぁ・・・・・・」 あのなめらかプリンが私を見てる! 食べて欲しそうよ? 「まあ、ちゃんたら。シェフもこんなにたくさん作るなんて、気合入りすぎね。紅茶の おかわりは?」 「いただきます!今度はストレートにします」 ミルクティーでは苦しくなっちゃうもの。 さっぱりさせなきゃ。 「今頃、お父さんたちがのお仕置き決めてるかもね」 「ええっ?!だ、大丈夫だもん。景時さんもいるから、そんなのないもん。ママまで意地悪」 確かに皆いなくなってるし。 私だけちょっと食べ続けすぎ? 「大丈夫よ。春休み、京都へ行くんでしょう?皆で行く計画を立てているのかも」 「本当ですか?だったらいいなぁ・・・・・・。あ、でも、そうしたら・・・・・・」 景時さんとデートできないなんて言えない。 「わかってるわよ。二人の邪魔はしないけど、時々お食事ぐらいはいいでしょう?」 「はい!おじいちゃんのお家に行かなきゃ。北と南だから、真逆なんですよね〜。両方!」 私のおじいちゃんとおばあちゃん、二人ずつだもん。 両方にご挨拶に行くの。 「雪・・・解けているといいわね。結構残ってるのよ?北の方」 「へ〜き。向こうにいた時なんて、どっさどっさ降ったもの。景時さん、向こうの方が寒かった とか言って、こっちで薄着なの。確かに痛い寒さって、未経験だった。最後は感覚ないんだよ」 でも景時さんがいてくれたから、ちっとも寒くなくて。 二人でぬくぬくって眠れば、朝だって頑張れた。 「随分と頑張ったみたいね?我が家の我侭娘さんは。・・・よかった」 ママに頭を撫でられるの、好きなんだ。 ママの時は、頑張ったなって自分でも思っているから、倍頑張ったぞって思える。 パパの時はすっごく誇らしい気分。 あんまり褒めてくれないから、すごく正しくてイイことしたんだなって思う。 景時さんの時は・・・ただ甘えてるかも。 「わかんない。皆いてくれたから・・・私一人じゃ、一日目で泣いてたと思う」 「そう。皆さんに会ってみたいわね」 私も会って欲しいな。 とっても、とっても心強い仲間たち。 みんなにお世話になってばかりだったから。 夏休み、本格的に計画しなきゃ! その前に春休み。 春休みは課題が出ないから好き〜。出ても少しだし。 心置きなく行けそう。 あと一回テストを乗り切れば、春が来る─── |
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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ
あとがき:女性陣は女性陣で集まっていると。次のイベントへGo! (2009.01.31サイト掲載)