幸せの成長  ≪望美side≫





 ご飯をご馳走になって。
 景時さん運転の車で帰る。
 冬は寒いから、歩きだとくっつく言い訳できたのにな。
 昔は出来なかったけど、今は私から手だって繋げる。
 ちょっとは成長したの。
 景時さんの背中を眺めてドキドキしているだけじゃないもん!
 真剣な横顔、盗み見するのに車はイイってわかったし。

「どうしたの?」
「何でもないですよ。冬の夜空って、真っ暗だけど気持ちいいですよね」

 夏の夜って、暑いからなのかじとってしてる。
 空までまだ明るさを残しているような。
 冬だって真っ暗じゃない。
 でも───

「そうだなぁ。こう・・・大きく息を吸い込むと気持ちイイよね」
「それ!その感じ」
 言葉が出てこない私の気持ちを見つけてくれる。
 嬉しいな。

「こっちの世界はさ、比較的暖かいよね。着る物もこう・・・機能的」
「うん。景時さんのお家、広いから。最初の冬は寒くて怖かったんですよ?」
「へ?」
 わかるかな〜?わからないかな〜?

「まあ・・・あれだけ隙間があっちゃねぇ。外よりはマシぐらいだし」
 半分正解で半分間違い。
「広すぎるから火桶もいまひとつだよね〜。床暖房なんて考えた人、偉いよ」
 あと少し!
「でもさ・・・今は二人だからいいでしょ?オレがいるから」
「えへへ。昔は悲鳴あげちゃってたのに。今は最初に景時さんいないと変なの」
「そんな嬉しい事言われると困っちゃうな〜〜〜」
 あ・・・照れてる。
 その顔も好き。
 ほ〜んと。昔に比べたら成長したわ〜、私って。
 景時さんのこと大好きなのに、近づけなかったんだから。
 プロポーズの時の「いやーーーーっ」て叫んだの、すっごく昔に感じる。



 もうお家に着いちゃった。
「ただいま〜!」
「ただ〜いまっ!!!」
 玄関でぎゅぎゅっv

「景時さん・・・私ね、あのぅ・・・皆に言いたいんだ」
 明日はとりあえずってことにしたけど。
 でも、本当は───


「大丈夫だよ。オレも言いたいからね。堂々と・・・でしょ?」


 また・・・わかってくれてる。
 私ね、こそこそは嫌なの。


「ただ・・・少しだけ待ってくれるかな?そう、少しだけ・・・ね」
「はい!」



 明日はちょっと早くだから、頑張らなきゃ。
 景時さんのスーツも用意して〜。
 自分の事だけじゃだめなんだもん。忘れ物しないように。
 毎朝、一緒に家を出られるように。
 出来るだけ長く一緒v






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:慣れていい部分と、慣れちゃいけないのと。大きくなるモノがあるって感じかな〜。     (2006.10.28サイト掲載)




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