ただいま練習中 ≪景時side≫ 「美味しかったですね!それに・・・車って寒くなくていいかも」 君がそう思ってくれたなら。 オレの少しばかりの器用さも悪くないと思える。 それに、車って完全に二人きりって知ってた? 電車とも歩きとも違う、本当に二人だけ。 「遠出の練習もしなくちゃだしね。ちゃんのテストが終わったら どこかへ出かけようか?」 「本当にぃ〜〜?」 窓の外を眺めていた視線が、こちらに向いた気配を感じる。 「もちろん。ただし!赤点がなかったらね」 「・・・どうしてそういうの知ってるの〜〜〜。むぅ〜ん」 再び窓の外へ視線が移ったのを感じるが、怒ってはいないのがわかる。 「そりゃあ・・・ね。テスト勉強しないといけないでしょ?」 「う〜ん。するけど・・・・・・時の運っていうのも・・・・・・」 「あらら。将臣君みたいだね?」 実のところ、将臣君は頭がいい。 時の運とは口ばかりなのは、日頃の彼を見ていればわかる事なのだが。 「将臣くんって、テストのヤマはるの上手いんだ〜」 「ちゃんは?」 「私は下手〜。でも・・・今回は頑張らなきゃ。でね、お菓子ツアーして。 菊池さんに何か探しましょうね」 軽く頷いてみせる。 ちゃんは何でもしっかりしてるんだよなぁ。 うん、うん。 「明日から真面目に学校だ〜!帰りが遅いの。あの・・・景時さんは?」 「オレ?オレはね、本社が横浜らしくって。明日はそっちだって」 嘘は言っていない。明日は間違いなく会社へ挨拶に行くんだから。 「遠いね。朝は・・何時?」 「ちゃんが乗る電車より十分早いヤツかな」 それは調べ済み。残念だけど早い時間じゃないと遅刻。 「じゃあね、明日から私も十分早い電車にする!」 「ほんと?途中まで同じ電車だね」 まさか時間を合わせてもらえるなんて。 「途中まででもいいの。一緒に朝お家を出たい・・・けど・・・・・・」 「えっ?ダメなの?いいよね、言っても」 だって・・・実際入籍済みだし。 「景時さんが悪く言われたら・・・・・・」 「ああ。そっか。でねぇ、そういうのは大抵がやっかみで・・・・・・」 問題ないと言い切りたいけど、ちゃんに心配させちゃな〜。 その問題はそのうち解決するとして。 「時々にする?それとも、別がいいかな」 「でも・・・十分だよ?景時さんがいるのといないのはチガウ〜」 お悩みの様ですね〜。 オレはね、明日は一緒に行きたいな〜。言ってみよう! 「じゃあさ。とりあえず明日は一緒に家を出ようか。様子を見てからって いうのはどう?」 「うん!友達に自慢しちゃう」 自慢かどうかはわからないけど。 「明日はヨロシクね」 明日だけじゃなく。これからずっとヨロシクね! これは心の声だったりする。 残念だけれど、もう駐車場に着いてしまった。 案外近いんだな〜と思う。 実家が近いのは、車を乗るようになったら少し残念かな。ははっ。 まだまだ練習しないとね。まだ近所だけ─── 二人でたくさんでかけようね? |
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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ
あとがき:景時くん、車の運転出来るんです。なんて都合がイイ設定なんでしょう。 (2006.10.27サイト掲載)