二度目の結婚式  ≪望美side≫





 二回目の結婚式っていうと、ちょっと意味深。
 で・も!
 あっちの世界とこっちの世界だもん。
 私ってば二回も出来ちゃってお得〜!
 旦那様はもちろん景時さん。
 景時さん、タキシード似合ってた。
 向こうでの直垂が悪いってわけじゃないけど。
 おでこ全開は・・・普段も髪は上げてたといえばそうだけど。
 うん。
 やっぱり前髪がパラって落ちてるのがいい。



 食事の時も、ちょっとだけちゃんとしたスーツで。
 ぱりぱりっと大人の人してて悔しくて。
 たくさん、たくさんお呪いをした。
 小声で聞えないように。

 『景時さん、大好き』

 ずるいんだもん。
 将臣くんや譲くんだと、着慣れていないのがバリバリにわかる。
 景時さんだって、そんなに着たことないのに。
 ・・・着こなしてるよ。ど〜いう事なのかな?
 何がチガウの?
 私はどう見えてる?
 


 誰かに確認したいけど、言えないの。
 朔に言いたいよぅ。いつもみたいに勇気づけて欲しいの。
 朔は景時さんに関しては少しだけ素直じゃなくて。
 だから余計に景時さんを頼りにしてるってわかっちゃう。
 可愛いんだ〜。
 
 『兄上の花嫁は、以外無理よ?こんなに頼りないんですもの』

 貴女のあの呆れた顔と口調を思い出せば、それだけで頑張れる。
 隣にいるのが私でいいんだって。



ちゃん、どうかした?」
「何でもないですよ?夏休みはね、なが〜いの。だから、皆を呼びましょう?」
 一度話しかけて止めていた話題を持ち出す。
 皆にも会いたいけれど、貴女に会いたいの。
「そ〜だった。景時とのトコに泊まれるんだよな。俺たちも参加っ!」
「兄さん・・・お酒はダメですからね?向こうではどうでも、こちらでは禁止」
 将臣くんがしっかり者の譲くんに叱られた。
 ここに皆もいたら、本当に向こうにいた時みたい!
「まあ・・・お酒はともかく。服装は驚くだろうねぇ・・・・・・」
 景時さんたら。自分で驚いたからかしら。
 私も・・・あの説明はもう無理よ?
「えっと・・・景時さんは皆を将臣くんたちと・・・そのぅ・・・朔は私と買いに行く!」
 私の言いたいことがわかってもらえたみたい。
 景時さん、真っ赤だ〜。あれ?
 ・・・真っ赤になるのって・・・・・・。
「景時さん!何を想像したの?まさか・・・・・・」
「ないっ!してないから!朔には・・・地味なので・・・・・・うん」
 しっかり想像しちゃったのね?
「もお!普通のです。そう変なこと考えないで下さい」
 
「・・・そこ。二人だけわかってる会話が気になるんですケドぉ〜」
 片手を上げて、意見を挟むなんて・・・やるわね、将臣くん。
「わからない時は流す!これ、基本でしょ〜。新しいお料理食べてて」
 将臣くんに知られたら、“ハネムーンベビー”の二の舞なのよ。
 皆に言われたら収集がつかないわ。
 と・く・に。ヒノエくんが要注意人物。

「へ〜、へ〜。あるように見せるのに持ち上がってりゃいいんだしな」
「・・・・・・!どうしてわかってて聞くかなぁ?ちょっとぉ!」
 将臣くんって、こういうトコあるんだよね〜。
 ちゃんと下着の話ってわかってて言うんだから!


「ねぇ、ねぇ。持ち上がるって何?」


 はうぅぅぅっ!だっ、誰が景時さんに説明するのよ。
 将臣くんたら責任取りなさいよ。
 視線で責め続けたにも関らず、あっさり回避されてしまった・・・・・・。


「安心しろ。も・・・ま!持ち上げるものあるわな?」


 失礼しちゃう、失礼しちゃう、失礼しちゃーーーう!
 無いっていいたいのかな?
 ふっふっふ。様を怒らせたわね、将臣くん。
 タコ殴りの刑に処し───


「ふ〜ん。持ち上げてるんだ。ちゃんが大変ならオレが持つよ?」



 譲くん。はい、消えた。テーブルに見事に沈没してくれたわ。
 将臣くん。はい、逃げた。突然トイレって・・・マナー違反よ。

 持たれても困るんだけど・・・この後の説明、どうしよ?
 


 その晩、大変説明しにくいことを説明するはめになった。
 皆が来たら・・・朔が来たら。
 将臣くんに一緒にお仕置きしてもらうんだから〜!!!






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:あえて“寄せて”を入れませんでしたが(笑)持ち上げアイテムですね、アレは。うん。     (2006.09.18サイト掲載)




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