これからとこれまで  ≪景時side≫





 変わりようがないと思っていた。
 どこにいても。
 どんな時でも。
 君といられれば。
 ただねぇ・・・思っていたよりチガウ。

 一緒に暮らせるようになった時は、婚儀までとは贅沢いえないなって。
 そう思っていたんだ。ところが!
 お披露目はまだだけど、二人は夫婦ですって書類を出しただけで。
 気持ちはぐるりと反転した。
 そうだなぁ・・・昼と夜くらい違った。


 写真だけって話だったのに、蓋を開ければ式だけでもとさせてくれた。
 内緒だけど、オレなりに調べてはいたんだ。
 こちらの世界の結婚式というものについて。
 指輪、どうしようと思ったけれど、そこはとばされてしまって。
 そうか〜、オレが明日ちゃんと買いに行けばいいんだと理解した。
 指輪はサイズがいるんですね。あはは。
 こればかりはお父さんたちにも不可能だったらしい。
 考えてみれば、オレの指をいつ測るって・・・無理。

 

 誰よりもステキで可愛い花嫁さんがオレの嫁さんで。



 朔に話したことなかったよなぁ。
 なんだか悪い気がしてね。
 なんのかんの言いながら、婚儀の話は・・・さ。
 朔は・・・目覚めた時には黒龍がいなくなっていたから。
 花嫁になれなかったんだ。
 オレは黒龍が人ではないと気づいてからも、二人を受け入れるつもりだった。
 そう・・・だった・・・・・・んだよな。



 ちゃんがいてくれたから。
 だから・・・朔は笑うようになった。
 向こうでの新婚旅行もね。
 すっごく協力してくれて。
 オレからは実に頼みにくかったし、言い出せなかった。
 ・・・それで朔に叱られたっけね。

 『兄上がの事をもっと考えてあげなくてどうなさるのっ!』

 ・・・考えてたよ?考えてたけどさ。
 そのぅ・・・色々言い出しにくかったわけよ。
 朔の気持ちはどうなのかなぁ〜とか。
 ところがあっさり言われたんだよね。

 『の花嫁姿、兄上より私の方が楽しみにしていますわね。きっと』

 なんというか・・・・・・。
 そこまで吹っ切れていたとはオレも考えていなかった。
 だからこそ。
 朔に見せたいと思う。
 こちらでの、婚儀の証を。
 ちゃんと撮ってもらった写真を一番に。



 ちゃんも同じ考えだったみたいで。
 写真を撮ってもらった第一声が「朔にみせたぁ〜い!!!」と言ってくれた。
 結婚も嬉しかったけど、あの瞬間に朔の名を言ってくれた君が。
 オレの気持ちを理解してくれているのは、君だけだとそう思った。



 そんな君なんだけど・・・今から夫婦で初デートって気づいてる?
 昨日までとは違うんだよ〜。
 しっかりデジカメを使いこなして、後で教えてあげよう。
 夫婦で初デートと、君のとびきりの初笑顔記念アルバムを作るためにね!

 ・・・お父さんに似てきたかもしれない。






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:事後報告タイプなところが望美’sパパと似てきた・・・かな?     (2006.09.16サイト掲載)




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