ぼでぃたっち。 「ううっ・・・景時さん・・・痛いよぅ・・・・・・」 「ごっ・・・ごめんね〜?つい・・・・・・」 景時がに詫びる。 「でっ、でもさ。その・・・やっぱりしてみない?」 「や〜ですっ!そんなのしたことないもん」 あっさり拒否される。 「何事も経験っていうか・・・ほら!初めてってドキドキって」 「・・・それは・・・そうなんですけど・・・何となく嫌っていうか」 景時はしたい。いや、してあげたい。 はなんとなくいいイメージを持っていないようだが。 「ふぅ〜〜〜〜。・・・・・・疲れちゃいました?」 「いや、いや。まだまだ全然。ちゃんとこうしているの好きだから」 さわさわとに触りたい放題。 こんな好機は逃すべきではない。 「じゃ、もう少し・・・・・・今度はこっち向きがイイです」 「御意〜〜〜。・・・オレ以外とはしてないよね?」 何とはなしに確認した。 「・・・・・・しちゃったかも」 「ええっ?!誰と?いつ?」 景時の表情が一気に蒼ざめた。 「だって・・・まだ景時さんいない時だったし。景時さんと会う前だし」 「そんなぁ・・・・・・」 時間ばかりは取り戻せない。 まして、景時と出会う前といわれては文句のつけようもなく。 「じゃあさ。オレとこれをしたら・・・それって初めて?」 「・・・ですね。ソレ・・・なんとなく嫌だしぃ・・・・・・」 景時の手にあるブツを一瞬だけ見た。 とにかくイメージが悪いらしい。 「オレもしてみたけど、コレは気持ちイイと思うよ〜〜〜。ほんとにっ!」 「・・・景時さんこそ。いつしたんですか?」 が疑いの眼差しを景時へ向ける。 「あわわ!いや・・・そのぅ・・・興味があって。実は・・・一人で」 ここは正直に言わないとに嫌われる。 「ひとりって・・・いつそんなの必要だったんですか?」 景時がソレを必要とするシチュエーションが思い浮かばない。 が首を傾げた。 「あの・・・笑わない?」 「んっ・・・笑わないです・・・・・・あっ・・・このまま」 「う、うん。ここだね?ここ・・・ここ好き?」 「んっ・・・イイ・・・・・・」 「よぉ〜し!」 景時が話す事を忘れて没頭する。 「あの・・・景時さん。やっぱり・・・してみよう・・・かな?」 いくら何でもこれだけ長時間景時にしてもらうのは悪い気がしてきて、 つい口にしてしまった。 「ほんとに?!すぐしてみる?今すぐ!」 今にも飛び掛らんばかりの景時。 は景時の期待に満ちた視線に負けた。 「・・・いいですよ。だけど・・・ちょっとずつですからね?一気にとかは なしですよ?」 確認を怠ると後々面倒な事になる。 特に景時に関して言えば、にめちゃくちゃ甘い。 けれど、景時はに対する事には自身の心にも甘い。 よって、いつも思わぬ方向へ話しが転がることがある。 「任せて!!!ちゃんはどこもかしこもすべすべで楽しいな〜」 さっさと済ませればいいものを、まさに余計な行動を取り始める。 「・・・景時さん。ソレに関係ないと思う。うひゃんっ!」 「ほ〜ら、気持ちイイ。もっとする?」 しっかりしたもので、景時はさらに続けられるよう言葉で誘導する。 「んっ・・・・・・これ・・・ちょっとイイかも・・・・・・」 「でしょ、でしょ、でしょ〜〜〜」 得意げに景時がを煽る。 「やっぱり・・・すっごくイイかも。・・・・・・景時さん、もういいです」 「ええっ?!」 が起き上がってしまう。 景時はベッドの上でコロリと弾き飛ばされた格好だ。 「しばらくこのままでお試しすることにします。さすがですね、景時さん」 「う、うん・・・・・・そうなんだ・・・・・・あの・・・・・・」 景時はにかける言葉を失った。 なんといっても言い出したのは景時なのだ。 今更取り消しなどしようがない。 「な〜んだ。こんなにちゃんと気持ちイイって知らなかった」 さっさと上着を着てが寝室を出て行ってしまった。 「あれ〜?予定ではもっとして〜って・・・・・・お終い?」 項垂れた景時は、ソレが入っていた箱を落としたことにも気づかずに そのまままベッドへダイブした。 取り落としたものは外用消炎鎮痛剤の箱。 世間ではサロ○パスともいうソレ。 諦めきれない景時が起き上がり、に纏わりつく。 「ね〜、ね〜。やっぱりソレ止めよう。ほら、嫌って言ってたじゃない」 「思ったよりニオイもないし、はがすのも痛くなさそうな感じですもん。平気」 冷たくあしらわれてしまう。 策士策に溺れる─── 今までの肩こりを解す役をしていた景時。 スキンシップの時間が減ってしまった。 マッサージと違い、先般のブツは貼れば済んでしまうのだ。 しかも、はマッサージの時は出来るだけ薄い服になってくれた。 服の抵抗が好きではないからという理由だが、景時には嬉しい限りの幸福のひと時。 夏場はキャミソールだけというオイシイ時間が無くなった。 「あ〜あ。失敗。筋肉痛の時にコレはイイと思ったんだけどねぇ・・・・・・」 何となく恨めしく、その箱を手に取り睨みつける。 自分で買っておきながら、貼るのは僅かな時間で済んでしまう事には思い 至らなかったのだ。 直接肌に触れられることにばかり気が取られていたという、どこか後ろ暗い 部分も無きにしも非ず。 「ま!ちゃんが気持ちイイならよしとしますか」 背中のソレをはがしてあげるというオイシイ役が残っている。 景時は気を取り直してベッドのスプリングを利用して起き上がる。 「ちゃ〜ん。ところでさ・・・・・・」 今日もにまとわりつく景時。 いつもの休日の風景─── |
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景時以外としたのはマッサージ。景時が初めて・・・いえ。人生初はサロ○パス。氷輪の場合は変な声だすなと言われますねぇ(笑) (2007.08.08サイト掲載)