運命の上書き





 私は運命の上書きに来た。
 私だけ元の世界へ返された運命を。
 皆が消えてしまう運命を。
 変える為だけに───
 
 運命を書き換える事で、
 誰かの運命が変ってしまうという事もわかっている。
 わかってはいるけど・・・・・・
 皆を、あの人を助けたかったの・・・・・・

 あの時、元の世界に戻れたことより。
 一人帰ってきてしまった自分が嫌だった。
 答えなんて、わかっていたのに。
 将臣くん、譲くん、ごめんね。
 私は、ここに残るから。
 
 目が覚めたら。
 この夢から覚めたら。
 景時さんに言わなきゃ。
 恥かしがってちゃ駄目なの!

 それで・・・元気よく起きたら。
 目の前に景時さんの顔があって。
 どういうわけか、お姫様抱っこされてて。
 叫んでしまいました。
 景時さん、ごめんなさい。
 嫌じゃないんだけど。
 咄嗟に出た言葉は・・・
 「いやーーーーーーっ!!!」
 駄目駄目だ。
 景時さんは、慌てて私を降ろしてくれて。
 何度も謝ってくれて。
 私は驚いていたから、大切な言葉を聞き逃しちゃった。
 駄目駄目×無限大。
 
 でもね、私が返事しなかったもんだから。
 景時さんが、もう一度言ってくれたの。
 きゃ〜〜〜v
 もう、幸せすぎだよ、私。
 
 でもさ、できることなら。
 あの部分だけ運命上書きさせてもらいたいよ。
 イヤってどうなのよぅ・・・・・・
 これは一生みんなに言われ続けそう。
 やはり、ここは記憶を消して頂く為に。
 逆鱗の使用をお許し下さい。





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≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:個人的理由で使っていいのかな〜、逆鱗。運命上書きしちゃうのだって個人の我侭よ♪     (2005.2サイト掲載)




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