可能性の未来





 京へ向かって歩きながら。
 ぽつりぽつりと話す。
 将臣くんは。こっちに残るつもりらしい。
 平氏に世話になったから。
 後始末を最後までつけたいんだって。
 彼らしいなぁ。
 ぶっきらぼうだけど、責任感がある。
 譲くんは。決めかねてるんだって。
 一応は帰りたいらしい。
 まぁ・・・ちゃん次第ってことか。
 ごめんね。ちゃんはオレがもらう。

 オレは、自分の未来ばかりみていたんだね。
 ちゃんは、この世界の人じゃない。
 いなくなるなんて、忘れていたよ───

 オレじゃ駄目かな。
 家族と引き離しちゃうわけだから。
 そんな酷いことを君に強いようとしているオレだけど。
 君が笑っていられるように、頑張るから。
 早く目を覚ましてくれないかな〜。
 
 ね、ね、ね、朔!
 嫁さんになってって言うのどうかな〜?
 駄目?なんでよ〜。
 真面目に相談にのってよ〜。
 起きたらすぐに言うんだからさ〜。
 オレの将来について、考えてよ。
 え?間をとばしすぎ?
 間って・・・・・・何かとばしました?
 あら〜?どうしてみんな笑うのよ。
 ここ笑うところじゃないんだから!
 あのねぇ、オレ真剣なの。わかる?
 オレと暮らそうってのはどうかな?
 それじゃ今までと同じ?
 言われてみれば・・・家にいたんだからそうか。
 これは却下。
 何がいいかな〜。
 あらら?みんな、今度は無視!?
 母上!オレ、この子を嫁さんにします。
 ええっ!?母上まで笑う?
 ちょっと〜、みんなに証人になって欲しいのに。
 頼朝様と対峙した時より緊張してきた。
 どんな言葉なら伝わるかな───





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≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:前向き景時くん。ふられたら大変だろうね(笑)     (2005.2サイト掲載)




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