後悔





 彼女に縋って頼んだ。
 「一緒に逃げてくれないか?」って。
 オレね、馬鹿な男だから。
 彼女の言ってくれた『一緒』の意味を取り違えてた。

 彼女は、オレよりオレの事を───
 知っている。
 考えている。
 大切に思ってくれてる。

 そんなことに、あんな情けないこと言ってから気づかされた。
 あ〜、もう。ほんとに格好悪いよ、オレ。
 「オレのこと想ってくれてるなら・・・」まで言っちゃって。
 想ってくれてるから、オレのこと信じてくれて。
 幸せになる方法を間違わないように、道を示してくれた。

 ごめんね、ちゃん。
 オレ、君にいつも格好悪いとこばかり見せてる。
 何度も背中を押してくれたのに。
 何度も笑顔で待っていてくれたのに。

 今度はオレの番。
 君を失わない。
 仲間も失わない。
 家族も失わない。
 全部を失わないこと。それがオレの真実。

 後悔は、しても取り戻せないものだから。
 これからは、全てを取りに行く。
 抱えきれないくらいの幸せを。
 君との未来のために。





Copyright © 2005- 〜Heavenly Blue〜 氷輪  All rights reserved.


≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:そろそろ鎖を断ち切ろう。うん♪     (2005.2サイト掲載)




夢小説メニューページへもどる