軍奉行





 オレの肩書きは。
 源氏の軍奉行。
 平和な時にはいらないお役目。

 戦あっての軍奉行。
 どうなんだろ、そんな仕事。
 ま、戦じゃなくても。
 剣の練習とか。
 警護とか、見回りとか。
 仲裁とか。
 そんなことしてるね。
 フラフラするのが仕事。

 弁慶のように諜報活動をするのも仕事。
 ただし、こっそりじゃない。
 そう、捕まえて拷問。
 なんか、荒んだ職場だな。

 オレの首。
 取りたければ取りに来ればいいよ。
 あんまり価値ないけど。
 九郎だけは守るから。
 オレの唯一の支えの仕事。
 九郎の目付けもあるけど。
 守るのもオレの仕事。
 唯一誇れる仕事。
 堂々と出来る仕事。

 大勢の中に居ても、オレはいつもひとり。
 平氏だったから。
 暗殺者だから。
 
 何人もの部下の死を見送るのが仕事。
 オレだけがまた生き残る。
 何人もこの手にかけるのが仕事。
 敵は多く倒さなければならない。
 オレはまだ死ねないでいる。





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≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:軽いのはフリとはいわないけど。パフォーマンスかな。強いフリの為の。へらへらしてると、気になっていない風で。     (2005.2サイト掲載)




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