結界





 実は焦っていたんだよね。
 頼まれた結界解く時。
 道具を使った結界なら、その道具を壊せば済む。
 そういうのは、案外簡単なんだ。
 あれ、違ったんだよね〜。

 オレが推測するに、あの結界は。
 天狗だと思う。
 しかも、一時的なもの。
 どうも様子がおかしかった。
 人のみが弾かれる仕組みになっていたんだよね。
 だから、鳥でも動物でも通れていた・・・・・・
 理由まではわかんないけどね。

 わかんないなりに考えると。
 山の奥までは人に荒らされたくなかったってとこかな。
 人は、あるものはとるのに、元に戻そうとはしない。
 恩恵を受けていることを忘れている。
 山の恵みの木の実に。
 食料となった動物に。
 草や木に。
 そういうものを守りたかったのかな。

 結界を破っちゃって、悪いことしたかな〜。
 悪い人間ばかりじゃないといいなぁ。
 安倍家の人たちのような人もいるしね。
 薬草を栽培してるよ、山の一部の秘密の場所で。
 陰陽師って薬師も兼ねてるから。
  
 時々は自然の恵みに感謝しないといけないね〜。

 でもさ、結界を解いても、直していかなかったのが一番まずいよね。
 そのうち直しにいってこよ〜かな!
 そうだ、明日の朝こっそり行こう!
 





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≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:解けるってことは、結界張った人と同等のチカラがあるってことだよね?あれ?確か、陰陽師では・・・・・・     (2005.2サイト掲載)




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