出会い





 いくらなんでもさ、背後に人がいたら気がつくって!
 それでも、自分の邸だし。
 殺気は感じられないし。
 足音からして・・・まあ、男じゃないなと。
 せっかく天気がいいんだから、洗濯したいじゃない?
 しばらく様子をみつつ、洗濯していたんだ。

 鼻歌はね〜。
 出ちゃうのよ、これが。自然に。
 よく朔にも不気味だから止めろって言われる。
 ひどいよね〜。
 人間楽しけりゃ、鼻歌の一つや二つや三つ。
 でちゃうでしょ、うん。
 原曲はないんだ。なんとなくだし。

 いいかげん、どうしたいのかなって思って。
 振向いて声をかけたらさ。
 すっごい可愛い子が立ってたんだよね。
 なんかもう、心臓をぐわしって。
 居なくなられたらもったいないし。
 洗濯はしちゃいたいしで。
 待ってくれるよう言ってみたんだ。

 だってさ、待っててくれたら脈アリでしょ。
 居なくなってたら、まあ、諦めようと。
 彼女、待っててくれたんだ。
 もう、嬉しくって。
 つい、思っていたことぶちまけちゃったんだよね。

 そうしたら、朔に見つかるし。
 まずいな〜と思ったよ。
 これから名前聞こうとしてたとこだったから。
 聞くも何も、龍神の神子って紹介されちゃったけど。
 あ〜、オレってついてない。
 
 でも、人生捨てたもんじゃないね。
 オレ、八葉だったみたい。
 役目があるってことはさ。
 いちいち用事を考えないでも彼女といられるもんね。

 もう少し、彼女のこと知りたかったなぁ・・・・・・





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≪景時×神子に30のお題≫からお題拝借。お題元はコチラからどうぞ。

 あとがき:いくらなんでも・・・気づいていて欲しいなぁって。     (2005.2サイト掲載)




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