悪戯  ≪景時side≫





 いつもの様に帰宅する。
 ちゃんがぴょんと玄関で迎えてくれる。
 この瞬間、オレは帰ってきたな〜と実感する。

 自室へ行って、楽な着物に着替える。
 もちろんちゃんが手伝ってくれる。
 もうオレの嫁さんみたい!
 またまた嬉しいオレ。

 夕飯までしばらくゴロゴロする。
 時間がある時は、ちゃんの膝枕付。
 どうやら今日は、ナシみたい。
 ガクリ・・・・・・
 でもね、こういう日はちゃんの手料理が!
 何かな〜。きんぴらとか、好きだよ。うん。

 仲良くみんなで夕餉をいただく。
 予想は外れて、ひじきだった。
 ちゃんが作るもので嫌いな物なんてない。
 残さず食べる。
 
 湯浴みをしてから部屋へ戻る。
 軽く腹筋なんてしてみたりする。
 そうそう、今日思いついた事を書きとめたのを
 まとめないといけない・・・・・・
 
 なぜコレがここにっ!?
 文箱、向こうの部屋へ片付けないで出かけた?
 迂闊!不覚を取ったが、蓋が開いていない。
 オレの部屋は、ちゃんが片付けてくれている。
 向こうの部屋へは入らないでくれているのも知ってる。
 彼女は、オレが駄目っていう事はしない。
 ほんとによく出来た人で・・・・・・
 文箱を開けるような人間ではない。うん。
 よかった。これには、深い理由が・・・・・・・

 カタッ───

 見覚えの無い料紙が・・・・・・
 しかもこれまた器用な折り方。
 これ、なに?
 う〜ん、なんだろう?
 開けてみる?ここにあるんだし。

 カサカサ、カサッ───

 この筆跡は・・・・・・ちゃんだ!
 なになに〜、・・・・・・・・・・・・
 うわ、あれ見たんだ。
 そういえば・・・今朝は慌ててたんだよな。
 何か蹴飛ばしたかも・・・これか。
 やっちゃったよ、渡す前にバレた・・・。

 そうか、きっとちゃんも・・・・・・。
 今夜こそ書き上げなきゃね。
 格好良くなんて、出来ない事はがんばらなくていいね!
 オレらしく、オレの言葉で書こう。
 君がくれたこの文のように───





景時さんへ
  
   お仕事お疲れ様です。
   毎日ちゃんと花嫁修業しています。
   すっごくいい奥さんになるから。
   期待して待ってて下さい。
   景時さん、大好き

                     





Copyright © 2005- 〜Heavenly Blue〜 氷輪  All rights reserved.


≪景時×神子に30のお題≫の続編風で

 あとがき:お手紙の内容はなくても・・・とも思ったんですが。一応手紙も作ってみました。こんな感じでひとつ(笑)     (2005.3.7サイト掲載)




夢小説メニューページへもどる