空を飛んだ  ≪景時side≫





 見る見る景色が変って。
 オレは、空を飛んだ。
 こんな事、朔に話しても信用してもらえないだろうな。
 また軽口呼ばわりされるんだ。
 それは、それで安心するんだけどね。

 それにしても、人が多いよ。
 将臣くんに言わせると、少ない時間に移動してるらしいんだけど。
 オレ、こんなに沢山の人間始めて見た。
 ちゃんが行くかもしれない“大学”というものにも足を踏み入れて。

 むむっ。
 男女が歩いている。
 これは・・・マズイ。
 ちゃんを一人でこんな所へはやれない。
 将臣君は、同じ大学へ行くのかな?

「さあな。今まで一緒だったのが不思議なくらいだし。別かもな」

 冷たい。冷たいよ、そんなの。
 オレはまたも問題を抱えてしまった。
 大学は、大切だと思う。
 うん。大切だよ。

 どうすればいいのかな〜。
 一緒にいたら不安は減るかと思ったけど。
 一緒にいても不安は減らないみたいだ。

 もう一度、帰りに空を飛んだらスッキリするかな。
 ちゃんに会っている時はないこの気持ち。
 取り扱いに困る。

 ちゃんの膝枕・・・・・・毎日してもらってたのに。
 あれがないと落ち着かない。





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:一緒にいる時は気にならないのにね。ある、ある。     (2005.6.4サイト掲載)




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