夢と現実  ≪景時side≫





「夢で会いに来てね!」
 ちゃんのメールの文。
 夢じゃ、触れない。
 ちゃんに思いを告げる前までは。
 夢で君をみられただけで嬉しかったのに。

 いつも隣で君のツムジをみていたから。
 いつも左腕に君の体温を感じていたから。
 夢はね・・・・・・
 どうも物足りない。重さすらないしね。
 いやいや、ちゃんが重いって事じゃなく!
 こう・・・・・・ね、いるな〜って感じがないとね。
 眠れないかも。

 ・・・・・・情けなさすぎだ、オレ。


 明日は何を着ようかな。
 セーター?
 これは暖かそうだよね。
 母上や朔にも届けられないかな。
 ただ、着物にセーターはかなり変だ。
 京の冬は寒いからね。
 一年に一度、向こうへ行けるかどうかわからないけど。
 その時はさ。
 何か届けたいな。


 この世界には、モノが溢れている。


 だからって、何でもあるわけじゃない。
 だって、ちゃんに傍にいて欲しいだけなのに。
 ただ二人で暮らしたかっただけなのに。
 そんな事すら簡単に叶わない。
 やっぱりね。
 自分で動かないと何も始まらないのは、どこでも同じ。
 
 ここで暮らしていくからには。
 オレはオレの場所を作らないとね。
 ちゃんと暮らせる場所を。
 お世話になりっぱなしなんて格好悪い。
 ま、しばらくお金は借りっぱなしだけど。
 これは働いて返そうと思う。
 
 そうだ。さっきの本!
 将臣君にコレについて訊かなきゃ。
 クリスマス・イブまで日がない。
 まずは読んでからだよね〜。 





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:景時くんがイベントを学習中・・・・・・正しく学んで下さい(笑)     (2005.5.17サイト掲載)




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