現金なオレ  ≪景時side≫





 皆で夕飯を食べて。
 なんて言うか・・・・・・
 色取り取りの鮮やかな夕餉。
 頼朝様の所で食べた時だって、こんなの見たことない。
 見事な料理だった。

 食事の後は、与えられたオレの部屋でちゃんと過ごした。
 しっかりちゃんを抱きかかえて座る。
 ちゃんは、さっき買った雑誌を広げて。
 オレにクリスマスの説明をし始める。

 “恋人たちのクリスマス───”

 へぇ〜。イベントがたくさんあるんだね。
 観覧車?あ、いつかちゃんが言ってた遊園地だね。
 いいね〜、そういうのも。
 この世界には、人を乗せて動く機械がたくさんだね。

 ちゃんがページを飛ばしてめくった。
 でもね、チラッと読めた。
 
 “彼氏・彼女へのプレゼント───”

 可愛いなぁ、ちゃん。
 そんなに気を遣わなくていいのに。
 オレね、君が欲しいモノなら何だってあげたいよ?
 ただ、実力が伴っていないだけでさ。
 君がいない時にそのページは確認しちゃうからね!

 ちゃんの背中で悪戯をする。
 だってさ。こんなに近くにいるんだし。
 たくさん項にキスをした。
 くすぐったそうに首を竦めるのが可愛くて。
 もっと悪戯したくなったけど、止めた。
 すると、またもページが目に入る。

 “カップルお泊りプラン”

 もしかして・・・・・・
 ちゃんも・・・・・・したい?
 オレはね、ものすっごくしたい!
 
 現金なもので。
 今回は赤ちゃんまだってわかって。
 ガッカリしつつも。
 次の瞬間は、もう恋人同士みたいに毎日イチャイチャしてるのを想像してた。
 問題はあるんだけどね。
 そう、オレはアレを購入しなければならない。
 頭に浮かぶ文字と、そのブツ。
 いわゆる避妊具である。
 コンドームのご用意をしないと。
 ちゃんに精神的にまた負担をかけてしまうわけにはいかない。
 ただね・・・・・・買っただけでは問題は解決しないんだよなぁ。
 ここは勇気を出して、ちゃんに協力を仰ぐしかない。



ちゃん・・・・・・」
「何ですか?」
 くるりと首だけをオレの方へ向ける。
「あのね・・・・・・病院へいったばかりで何だけどね・・・・・・オレね、ちゃんと
えっちしたいなぁ〜って思うんだよね」
 ちゃんが首まで赤くなった。音にするなら、ぽぽぽぽんっ♪て感じ。
「えっと・・・その・・・私も・・・したい・・・ですよ?」
 恥かしいのか、顔を隠すちゃんが益々可愛くて。
 しかし、ここは軽く話していい話題じゃない。
「でもね、やっぱり・・・子供はちゃんと結婚してからじゃないと。
何より、オレがしっかりしていないから。ちゃんと生活できるようにならなきゃでさ・・・・・・」
 ちゃんの手が、オレのシャツを握る。
「ちゃんとね、避妊具買うから!時々なら・・・いいかなぁ〜なんて聞いてみたり・・・・・・」
 ちゃんがオレを抱きしめてくれた。
「時々とかじゃなくて・・・二人でしたいなぁ〜って思った時に・・・・・・ね?」

 あ〜〜〜もう駄目だ。
 オレにはちゃん以外考えられない。
 母上も朔もすごいね。
 ちゃんを逃したら、嫁は来ないって正解!
 それって、意味を取り違えてたよ。
 ちゃん程オレの事を理解してくれて、大切にしてくれる人は現れないね。
 オレの事を好きっていってくれる人は居ないって、そういうことじゃない。

 ちゃんをぎゅむぎゅむに抱きしめ返しながら。
 最大の問題解決を図るべく、お願いしてみる。

「あのね、そういうものが必要なのはわかるんだ。でも・・・・・・使ったことなくて、イマイチ
ちゃんと出来るかが問題なんだよね・・・・・・」
 ちゃんの耳元で、こそりと告げてみた。
 真っ赤になりながらも、オレにキスしてくれて。
 オレの耳に小声で返事をしてくれた。



「じゃ、練習しなきゃですね」



 人生最良の日。
 オレはね、この練習は真剣にさせてもらう。
 
 その前にクリスマスだ。
 プレゼント・・・・・・何がいいかな。
 ちゃんは、携帯のストラップが同じ事をあんなに嬉しがってた。
 どうやら、同じ物が嬉しいんだと思うんだけど・・・・・・
 こういう事は、後で将臣君に聞いてみよう。
 アレの購入方法も聞かなきゃだしね。





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表の≪景時×神子に30のお題≫の続きの続き風です。

 あとがき:裏書かない予定が裏。裏にするほどでもないですけど一応、裏。避妊すればOKって話でもないと思うので。
          しかも、将臣くん大変かもというオチ(笑)




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