午後の風景 ≪景時side≫ やったぁ!どうしたんだろ、今日は。 もう帰ってもいいなんてさ〜〜〜。 九郎の気が変わらないうちに、早く帰ろ〜っと! 逸る気持ちを抑えて、目指すは我が家。 ちゃ〜ん、待っててねv お土産買って帰ろうかな〜。 何がいいかな? たまにはお花以外もアリだよね。 その時、紫陽花の葉を移動する物体が目の端に入る。 じゃ、九郎。ちょっとだけ紫陽花もらってくし。 ついでに、カタツムリも。 土産を手に、勢いよく我が家の玄関へ飛び込む。 「ただい・・・・・・」 スコーーーーーーーーンッ!!! ・・・この場面は。 いつだったか、記憶に新しいんだけど。 オレは頭を擦りながら、扇が飛んできた方向を見た。 「兄上、静かになさいませ!が休んでおりますの」 静かにって・・・朔の方がうるさ・・・・・・って、ええっ?! 「ちゃん、病気?!」 ゴインッ! 今度は何?!いくら頼りなくても、オレの頭をもう少し大切に 取り扱ってくれたって・・・・・・ 「違います!だるいらしくて・・・少し横になりたいと・・・・・・」 「朔!これ生けておいて。南の部屋かな?」 朔に紫陽花と葉にのったカタツムリを預け、ちゃんがいるはずの部屋へ。 そういや、朔に“おかえりないさい”すら言ってもらえなかった・・・・・・ オレって・・・・・・一応、ここの主だよなぁ? 一番風通しがよい南の部屋で、ちゃんが昼寝をしていた。 う〜ん。実に可愛い。 明るいところで見ると、可愛さ十倍ってやつ? 顔色もそんなに悪くないし。 オレはひとまず、ちゃんに叱られる前に手洗い、うがいをしに行く。 何でも、こうすると風邪をひきにくいらしい。 あ、風病のことらしいんだけどね。風邪って。 ちゃんに病気させちゃ大変だから。 サビシイけれど、一人で着替えもしてから、また南の部屋へ行く。 ちゃんは、まだ眠っていた。 なんとなく、隣に横になる。 触れたら起きちゃうかな? 少しだけ・・・少しだけ彼女の体温が恋しい。 そぉ〜っと、そぉ〜っと。 ちゃんの方に寄り添ってみる。 うん。ちゃんの顔が見られないのは残念だけど。 向かい合わせだと、オレが庭からの心地よい風を遮っちゃうからね〜。 のんびりとちゃんと過ごす午後は好きだよ。 |
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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→京で二人の子供が?!
あとがき:ストーカーどころか(笑)ちゃっかり隣で寝てますv (2005.6.27サイト掲載)