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 『病気の時には・・・・・・』  知盛×望美編







「ご馳走様でした・・・・・・」
 いつもなら三杯はお粥をおかわりする望美らしくなく、静かに箸を置く。
「・・・望美?」
「あ、美味しくないとかそういんじゃないですよ?ただ・・・・・・ちょっと面倒くさくて」
 知盛ではなく、近くに控える女房たちへ言い訳をする望美。
 知盛は片眉を顰め望美の傍へ近づくと、その顎に手を添えた。

「この口が面倒くさい・・・だと?珍しい事もあるものだな・・・・・・」
 そのまま望美へ深い口づけをする知盛。

「んうぅ?・・・・・・っ・・・・・・」
 力が抜けてしまい、倒れこむように知盛へ手を伸ばす望美。
 頬を寄せながら、知盛が望美の具合が悪い事を覚った。

「・・・望美の寝所の用意を。薬師か医者を呼べ。熱病だ・・・・・・」
 今日に限っては、静かに望美を抱き上げる知盛。
 もうそろそろ目が回るという頃に知盛に口を塞がれてしまったのだ。
 望美の意識は、ほぼなくなりかけていた。

「望美・・・・・・口があるんだ。自分で言えよ・・・・・・」
 とても小さな存在だという事実を、つい忘れてしまう。
 まるで、すべてに対等といわんばかりの普段の様子は微塵もみられない。

「望美・・・・・・」
 望美を褥へ寝かせると、その隣へ身を滑り込ませる知盛。


 いつ目覚めても、お前の瞳に映るのは俺だけだ───