七月生まれの貴女へ





 特別な日まで後少し。
 こちらの世界へ来てから初めてのちゃんの誕生日。
 もともとそういう習慣がなかったオレとしては、どうすればいいのか。
 将臣君も譲君も『祝いたい!』という『気持ち』だけでって言うけど。
 気持ちは目に見えないし、残らないよ・・・・・・。
 なんか、こぅ・・・カタチあるもので残したいというか・・・・・・。

 あまりにオレが考え込んで眉間に皺が刻まれていたのだろう。
 会社の人たちが、よって集って理由を問い質された。

「ぷっ!」
「ぶわはは!らしいね〜〜」
「やだ〜、梶原さん可愛い〜」

 ・・・ヒドイ、笑うなんて!
 こっちはね、ご飯も喉を通らないくらい悩んでるのに。 

 皆がオレに知恵を授けてくれた。
「当日にデートして、何かプレゼントすれば?」
 だから。その贈り物を何にするか困ってるんだってば!

「花束とかいいんじゃない?付き合いにもよるけどね」
 そんな付き合いによるような上級者向けはオレには無理だってば。

「相手はいくつくらいなの?ブランド物とかだと確実よね」
 そんなの持ってるのも、身に付けているのも見た事ない。

「後は、流行モノだよ。ほら、今ならipodとか。あるだろ?」
 それは君の欲しいモノであって、ちゃんじゃない。

 そんな時、ようやくマトモな意見が出た。
「アクセサリーでも指輪だとちょっと重くなっちゃうけど。ブレスレットとか。
ほら!誕生石とかさり気なくついてるとお守りみたいでいいよね」
「そ、それ!そういうのがいい!!!」
 オレは立ち上がってその子に礼を言うと、その意見を採用することに決めた。


 誕生石とは何ぞや?
 ここから始めなければならない。何でもルビーらしいけど。
 宝石言葉は“熱情”とものすごい。
 そりゃ、赤い色してるしね。そんな気もするよ。
 ただ、オレの熱情がここまで赤いのかは不明だ。
 黒いモノが混じってそうだ・・・邪念という名の。
 それすら払ってくれそうなこの石に想いを託すことにした。


 で、目に付いたのがネックレス。
 何が可愛いって、ルビーがハート型になってるトップがついている。
 ハートですよ、ハート型。
 オレのハートを君に!・・・なんちゃって。
 自分で考えて、何照れてるんだか。

 

 お誕生日おめでとう!ちゃん。
 オレのハートを君に捧げます。





Copyright © 2005- 〜Heavenly Blue〜 氷輪  All rights reserved.


 あとがき:昔からルビーは太陽のシンボルカラーとかすごい謂れがあるようです。     (2005.6.18サイト掲載)




こっそりお誕生日企画メニューページへもどる