二月生まれの貴女へ





 お誕生日おめでとう、ちゃん───

 月並みすぎ?
 なんて言おうかな。
 今日はちゃんの誕生日。
 レストランで一緒に食事をと思っていたら。
 オレの仕事と身体を気遣ってくれる彼女。優しいよね。
 外食ばかりは駄目だって、今日はオレの家で待っていてくれるんだ。
 彼女の誕生日なのに、オレが料理を作って待っててもらうって・・・・・・
 オレの方が嬉しいの変だな。
 
 早く時計が17時にならないかな。仕事が終ったら。
 予約したケーキを取りに行って。
 そのまま家に帰るんだ。
 きっと君は、お帰りなさいって迎えてくれるよね。
 ん?またもオレが嬉しい・・・変だ。
 ちゃんの誕生日なのに。

 プレゼントは、用意してある。
 花束が今頃届いている。
 受け取ってくれたかな。
 花束は用意しておくとしおれちゃうからね。
 今日ちゃんが家にいるだろう時間に届くよう頼んでおいたんだ。

 後ね、彼女に似合いそうなシルバーの細いチェーンのネックレス。
 アメジストがついている。
 誕生石というものの存在を知ったんだよね。これ買う時に。
 色々あるんだね、こっちの世界では。
 
 指輪もあるんだけど。
 これはね、ただの指輪じゃないよ。
 オレのありったけの想いがこもってる。
 婚約指輪っていうの?
 これもこっちに来てから知った。
 約束のシルシ。
 約束が欲しいのは、オレの方ってところが情けないんだけど。

 帰ったらまず、ケーキを渡して。
 おめでとうって言う。
 で、部屋に入ってからネックレスを渡す。
 おめでとうって言う。
 指輪は・・・どのタイミングで切り出そう?
 これは誕生日とは別といえば、別なんだよね〜。
 受け取ってくれなかったら?
 うわ〜、そんなこと考えちゃ駄目だ。
 
 ちゃんの生まれた日に。
 君と約束をしたいんだ。
 誕生日おめでとう、と。
 生まれてきてくれてありがとう、と。
 これからも、ずっと一緒にいたい。です。
 
 早く帰らなきゃ!
 この時計、壊れているんじゃないのかな〜。





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 あとがき:こちらは景時ひとり語りで。誕生石を使いたいかな〜とv




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