隣の温もり  ≪景時side≫





 朝起きて、腕の重みが嬉しい。
 ちゃんがいる!
 これから毎朝一番最初に見るのはちゃんってことで。
 もう少しで声を出しそうだった。
 いくらなんでも「やった!」はないよな〜。
 それじゃ子供なんだけど。
 右手は握り拳になってて正直。

 で、体を動かした。・・・ちゃんがついてきた。
 可愛い〜と思って。
 また少し離れてみる。・・・ついてくる。
 これ以上は後ろに下がれないので。
 そんなに意地悪しちゃ起こしちゃうし。
 黙って寝顔を観察する。

 これからはずぅーっとオレの隣にいるんだよね。
 一人じゃないんだと思ったら。
 泣きそうになった。



 この手を離さないでよかった。
 順番としては、ちゃんが手を繋いでくれたんだけど。
 伸ばされた手に、必死で縋りついたんだよね───

 情けない話、繋いでもらってるが正しい。

 婚儀の前日に母上に言われた。
 ちゃん以外無理だって、オレの嫁さんは。
 だよね〜。
 オレも不思議なんだけどさ。
 ちゃんがオレを選んでくれた事が。

 

 今日のデートは。
 まずは墨染で白い桜を見て。
 伏見まで散歩。
 御香宮の水は有名。
 そもそも香のよい水が出たっていうのでこの名前なんだし。
 途中おいしいと評判のお店に寄りお菓子を購入。
 伏見稲荷に参ってから庵に戻る。
 
 明日はどこに行くって聞いたら。
 のんびりぬくぬくしましょって。
 可愛い〜。
 オレの事、気遣ってくれてるのかなと思ってさ。
 「大丈夫だよ」って言ったら。
 庭を眺めて、ぬくぬくお昼寝したかったんだって。
 ちゃんの言葉は、なんかこう・・・ふんわりな気持ちになる。
 お日様の匂いがする。
 
 いつも隣にぬくぬくお日様みたいなちゃんがいるなんて。
 オレって、すっごい幸せ者だね。





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≪景時×神子に30のお題≫の続編風で

 あとがき:だね〜v景時くん、母に「逃がすな!」と言われたらしい(笑)     (2005.4.8サイト掲載)




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