起床は日の出  ≪景時side≫





 生活習慣が違うんだよね。
 日が昇る前に起きて。
 明るいうちに活動する。
 
 この世界は、夜でもずいぶんと明るい中で生活できる。
 つい夜更ししてしまった。
 睡眠が少ない事は慣れている。
 だから、それはいいんだけど。
 
 目が覚めている時間が長いのに。
 隣に君は居ない。


 カーテンを開けて。
 なんとなくちゃんがいるはずの方角を見ていた。



 携帯が鳴り出す。
 慌ててオレは飛びついた。

「も、もしもし?」

「おはよ〜景時さん。朝一番にね。声聞きたいからかけちゃったv」

 そうかぁ〜、そう使えばよかったのか、コレ。
 でも、ちゃん起こしちゃ悪いしね。
 かかってくるのはいいよね。

「おはよ。オレも、ちゃんの声が聞きたかったよ〜〜〜」
 正直に気持ちを伝えた。

「もう起きてる頃かなって。今日ね、お弁当作るから。楽しみにしててね」
 お弁当って、もちろんちゃんの手作りのご飯って事だよね?

「もう、すっごい楽しみ〜〜〜。朝ご飯食べなくてもいいくらい」
 心からそう思って言ったのにさ。

「朝からお馬鹿な事言わないで下さい!お腹空いちゃうから、朝は朝で食べてね」
 お馬鹿・・・うん、そう。いいの、それで。

「だってさ〜、ちゃんのご飯久しぶりだもん」
「え〜?そんなに経ってないよ。久しぶりってオーバーだよ、景時さん」
 電話の向こうでちゃんの笑い声。
 なんだか得したな〜。でかした、オレ!

「いいんだよ。久しぶりなんだ、オレとっては」
 これは真実。一晩で音を上げたとは知られたくないけどね。
「えへへ。じゃあ、またね」
「うん。待ってるよ〜」

 きっと笑っていたんだろうな〜。
 顔、見たかったな〜。
 あぁ〜あ。もったいないことした。
 ちゃんの笑顔、見られなくて一回損した。






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≪景時×神子に30のお題≫の続編風の続編風→現代へ

 あとがき:景時くん、朝から元気の巻でした(笑)昔は油が高級品でしたから。夜はさっさと寝ていたようです。     (2005.5.19サイト掲載)




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