月の微笑     〜氷輪のあとがき&考察〜





 ここからは氷輪の偏見の塊ともいえる、『十六夜記』の景時くん考察及び『月の微笑』のあとがきです。
 個人の考えだかけが凝縮されていますので、ウザイと思われるかもしれません。
 「読後にクレームつけちゃいそうだぞ〜!」という神子様は、このままコチラからお戻り下さい。
 「どんとこい!」な神子様は、お手数ですが下の方へするするっとお進み下さい。




















月の微笑

〜氷輪のあとがき&考察〜



景時くんと神子ちゃん
  景時くんの蜜月ルートを進んでいて、「おや?」と思う箇所がありませんでしたか?
  氷輪にはあったんです。それはですね、景時くんは最後まで望美ちゃんに嘘を吐き続けました。
  遙3の時は、望美ちゃんの勢いに負けたというか、真実の気持ち、この場合は『弱い自分』を見せてもいい
  というところまで彼に決心させてるんですよ。「一緒に逃げてくれ」発言。
  ところが!十六夜記の方では、景時くんはこれっぽっちも気持ちを見せてくれない。
  “かたくな”といいますか、頑固といいますか、一途といいますか。
  もうね、頭の中は“仲間が生きていればいい”一色に染まってます。
  自己犠牲の精神といえば聞えはいいですけど、景時くんの心の声らしきが、前作をプレイしていないと
  ちっともわからん作りでしたね。
  十六夜記だけプレイされた神子様には、単純に「こいつ、後ろ向き」に見えてしまったかも。
  ただ、おまけの表情スチル、景時が一番多いんです。
  それだけ彼には様々な表情が必要だったともとれますよね。
  「好きだ」、「私も」的な単純なものでなかったのが、さらに氷輪の萌をヒートさせてくれました。
  おかげで未消化部分について、初の痛い夢話を書いてしまいました。

  これが、望美ちゃんにもいえるんですよ。
  尤も、遙3では一度歴史を知っていてすべてを引っくり返しに舞い戻ってきたわけですから、景時くんの
  嘘なんてお見通しでしたけど。
  それにしても、十六夜記の望美ちゃんは、まんまと景時くんに騙されすぎです。
  常ならば、もう一歩踏み込んだ事でしょうと思いました。
  あっさり引き下がりすぎっていうか。
  最後の『私のところへ戻ってきて』って、とても曖昧でしたし。
  エンディングスチルでようやく『ところ』は平泉じゃなくて、望美が存在する『場所』といった感じで。
  薄々感づいてはいましたが、もう少し説明欲しかったなぁ。
  望美ちゃんの女の子ゆえの不安とか、心の葛藤がわかりやすいのは十六夜記の方だったかな。
  好きだからこそ、踏み込めない。そんな感じが。

  結論。遙3も十六夜記も、景時×神子ならどっちも好き



月の微笑
  なぜこのタイトルなのか?
  『ロミオとジュリエット』という、シェークスピアの名作がございます。
  あれのワンシーンに、確かこんなのがあったなと。

  ロミオくん「あの月に誓って、愛を捧げよう」
  ジュリエットちゃん「夜ごと姿を変える、あの不実な月に?」

  景時くんが“不実”ってわけじゃないですが(笑)。
  これ、一見女性の方が核心ついてるんですよ。景時×神子だよ!と思ったんですよね〜。
  景時くんは真実を見せているつもりなんだけど、望美ちゃんにはそう見えていないの。
  月は、姿をどう変えようとも月なのにねって氷輪は思ってます。
  だから、月は笑ってる。
  「たどり着く真実はひとつなのに。迷いなさい。そして、見つけなさい」
  こんな感じで。見えていない新月の晩でも、月は変わらずそこにあるんです。はい。



月の微笑
  ストーリー、痛いじゃないの!どうした、氷輪!
  十六夜記の景時くんは、前述の通り、たったひとつだけを信じて行動してます。
  信じるモノによっては、大分回り道ですなと。
  しかし、他の犠牲をも顧みない道は正しいのか?
  彼の苦悩は、ゲーム中すべて無言で通されてました。
  「おい、おい・・・・・・。もう少し、心情を吐露して下さいよ・・・・・・」と、ぼやく氷輪。
  そもそも、このサイトの立ち上げ動機だって遙3のエンディング補足でしたから、当然ここも突き進む!

  恋愛の法則に、距離と時間とコストだったかな?心理学、中でも社会心理学系であったような。
  つまり、より多く会っている方が、絆が強くなるらしい。
  遠距離恋愛には、時間と金がかかるから、コストでカバー出来ない限り×の可能性が高いと。
  そんな内容だったと記憶しています。

  他の八葉が、常に望美の傍に居たのに対して、景時くんは壇ノ浦から決別してます。
  音信不通、果ては、戦をしに平泉までやって来る。
  これでどうして信じられたんだか?とは思いますが、そこは望美ちゃんだからって事で。

  ここまでして嘘を吐いていた景時が、あっさり信念を曲げられるのか?が、『月の微笑』の始点になって
  います。
  鎌倉へ戦の勝利のみを携えて帰る景時を、頼朝がどう思うか?
  彼は、景時を信用しているわけではないんです。便利な犬扱い。
  忠義は力によってのみ存在すると思っている節が随所に見受けられます。
  そんな頼朝は、荼吉尼天の力を失った政子を見てどう思うのか?
  これだけで話が出来そうな(笑)
  頼朝が変わらなければ、景時の信念が変わる事もないのかな〜と。
  良くも悪くも、忠実な御家人だったのですから。

  せっかく鎌倉まで出向いた望美をさらに傷つけます。
  ここまでしなくてはならない自分に疑問持たないのか?と。

  どこかのお店へ買い物に行くとして。そこへ行くルートは道の数だけあるんです。
  何が欲しくて行くのか?目的を見失うと、そこへ『行く』だけが残ってしまいます。
  もしかしたら、他の店でも買えるかもしれないのにです。
  変な例えですが、景時くんはこんな状態だったかなと。

  そんな感じで、短いつもりがこんなに長くなってしまった『月の微笑』。
  様々な感想があるかと思います。
  皆様が考えていたエンディングの付け足しになれたなら幸いです。
  お付き合いいただき、ありがとうございました。


  2005.10.29  氷輪






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